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パノラマ
By 竜門勇気
06-22 12:56
ぼくは 表面
ぼくは 膜だ
水面の区切りだ
世界のおわりだ
夢を見たり うそをついたり
ぼやけた時間の中で生きて
それですべてを見た気になって
無理な現実が全部だと
無駄な夢が真実だと
北へ飛ぶ鳥になった気持ちで
でもやけに空は近くて
飛べてるんだと勘違いしたまま
毎日夜中に目が覚める
ぼくは今から逃げられない
今から逃げたら
君に会えない
死ぬって事だ
おめでとう
それはもう永遠に変わらないって事さ
ぼくは膜ぼくは影
ぼくは反射ぼくは鏡像
今日は幸せだ
君と話できた
昨日は最悪だった
君と話できなかった
明日はわからない
けどたぶん幸せだ
昨日君と話せた
ほんとは昨日まで幸せだったんだ
君と話したこと覚えてるから
でもさんざん生きてきて
安穏と暮らしてて
昨日の俺が一番かわいそうだ
今日君と話せるなんて知らなかったんだからな
後悔とは悔やむこと
失ったってせいぜいたかがしれてる
そんなもんが消えただけだ
一緒に死ぬかい
それが幸せなら
二人で手をつないでいることより幸せなら
ぼくははやく死にたい
世界を共有するより幸せなら
光の中に手を離すより
このゴミクズだらけの
無駄だらけの世界で
汚れながら壊れながらでも
そばにいたい
汚れることは育つことだ
壊れることは美しいことだ
どんな世界で芽を出さない花を尊んで
美しい花を蔑んだりするんだ
種は土に汚れ
花は蕾を壊す
喜びを持ってそれを包む手に
どんな嘘があって愛を語るってんだ
土を恐れて逃げ出す奴がいるかい
ぼくがそいつをぶっ壊しにいくよ
君の悲しさを笑う奴がいるかい
ぼくがそいつを殺しにいくよ
優しさなんかいらない
大事に思ってくれなんて
そんなこと求めたくもない
ぼくが思えることが
ぼくの君にできそうなこと全てだ
二人でできる全ての
かけらほどでもない全てだよ
精一杯力の限り生きるなんて
冗談じゃねーけど
死にたがってたぼくも
君の言葉で生きているらしい
もう覚えてないぐらい昔の言葉で生きてるんだ
ぼくは水面で
ぼくは水でも空気でもなくて
すごくいいんだな
それそのままで
すごくいい
すごくいい
このままのまま
結果の今だ
今を否定する足跡があるなら
足跡が間違いだ
どっからどうきたか
んなこたしらねーよ
今が全てだ
ずっと今が全てだ
今が好きなんだ
君の今が好きなんだ
一秒の昔も興味ねーよ
だからこの今がぼくは好きなんだ
君がいるかぎり
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