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浮き輪
By 竜門勇気
02-15 11:37


青色と緑色と
まざらないで
立ち込めてる

新しくて
こすれた匂いがして
知らない人の咳払いみたいな
そわそわした暖かさがある

青色と緑色は
触れないで
混ざってく

なげやりで
どこか悲しい匂いのする
野良犬の背中みたいだ
そっとして ぐぐっと唸る

底までほのあかるい湖畔
浮き輪の中で
未来の設計図を書き直してた
いつか踏みつぶされた
靴跡がまた未来になる
見つけたものを
腐らない缶詰に詰めた
ポケットの奥まで
光りあたる湖畔

どこまでも軽くなる共犯者
花の色のために
また辞書を一つ破く
真実を見た
紙吹雪く岸辺へ
見えなくなるまでは
はためくだろう
浮き輪の中まで
染み渡る湖畔

波ひとつねーね
船ふたつねーね
浮き輪の中で
ぼうっ と手を見てた

汗三粒こぼれて
ぎらり輝く
浮き輪の中で
ごぼ と溺れてた
ごぼ と溺れてた

こぼすあぶくに
青色と緑色と
触れないで混ざってく
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