04/02 19:54

「ウォータービジネス」
sicks

今日は進級試験。
sicksはワケあって某私立高校からこの2月に慌てて通信制の学校に編入をしました。
前の学校がそれなりにお堅いところであった為に金髪にツケマツゲの女の子がむしろ基準な未知の世界にパチクリ。
ミナティは少々ビビっております。
今日だって派手な男の子がほら、試験中にピアスを付け替えたり、なんだか族の話をしていたり。
同い年なんだよなあ。
ミナティも今日は静か。
まあ、おかげで試験の邪魔をされずに済みました。

ところで。
少し前の学校行事の帰り道にバッチリメイクの女の子達とお喋りしながら電車に揺られていた時のこと。
…お水のバイトをしている子、多いんですね。
もちろん年齢的に違法であったり、お店自体が危うかったり、それが良くないことには違いありませんが、むしろ彼女達の「強さ」にはっとさせられたことが印象深かったです。
別段偏見はなかったつもりですが、テンションの高いトークを繰り広げカラカラと笑う彼女達にはやっぱり楽天的なイメージがあったのですね。
だけどあの時私が見ていたのは、憂いを帯びた表情でシリアスな話題にため息をつく働く女性達。

「あーあ、早くこの仕事辞めたいなあ…。」
遊ぶお金のために見えますか?
とんでもない!
私は自分がどれだけ甘えて生きているのか痛感したんです。
バイトしたいなあなんて軽々しく言うものじゃあありませんでした。
私の父は学生のうちは部活なり勉強なり学校でやりたいことに時間をかけなければもったいないという考え方の人でバイトを禁止しています。
「バイトしろって言われないの?洋服って親が買ってくれるの?…じゃあ学費も親持ち?……いいなあ。」
…遊ぶお金が稼ぎたかったのは私の方ですね。
彼女達はとってもお洒落だけど、お店の為に髪や爪に気を遣わなければならないのだそうです。
彼氏とのデートもお客さんと鉢合わせしないように場所が限られてしまって窮屈なのだとか。
ちょっとゴメンと言って一人が二つある携帯のうち一つを取り出します。
「もしもし、ご飯は炊けてるよ、うん…」
相手はお店が用意したアパートでルームシェアをする女の子。
私はろくに料理をしたことがない自分を考えました。
生活の仕方、知りません。
ガス代とか、電気代とか、仕組みもわかりません。
「こんな話、今まで友達とできなかったや…」
別の子が苦笑します。
―男の人の見方が変わる、感覚が麻痺して、最初は抵抗があったものがなんとも思えなくなる、カッコイイ人も、みんな来るよね。―
…次々と私の知らない仕事の愚痴を吐き出します。
そして日中はかたちばかりですが高校卒業資格をとるべく学費を払うところから学生をやるのです。
彼女達は「自立」しています。
「社会」を知っています。
「苦労」を知っています。

それでも彼女達の選んだ道ですから同情をするのはちょっと違いますよね。
だけど私は思います。
彼女達が無事に学校を卒業できるといいなあと。
高校の卒業資格があれば働ける場所は広がります。

「頑張って欲しいね。」
ミナティに語り掛けます。
まばたきを一つしました。

「私達も頑張ろうね。」
もう一度ミナティに語り掛けます。
うん、…一つ、うなずいた気がしました。

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