投稿日05/17 16:36

「君、いつの日か。[1]」
すぅ

貴方はあたしの言葉にいつも一生懸命に耳を傾けます。

あたしの言葉に貴方はいつも柔らかい眼差しで、時折うなづきながら目をつむり体を少し揺らしながら‥しかし決して聞き流す事というのはなかったと思います。


その時間はただただ幸せでこの感情を言葉には表したくはありません‥つまり二人だけの秘密の感情だったのです。


あたしと貴方は、過去二回過ちを犯しました。

その過ちを犯した後、貴方は、いつも携帯している無印のちっちゃなメモと貴方に似合わない可愛らしい人気キャラクターの付いたボールペンであたしにこう書き記しました。


『生きる‥と言う事は死ぬ事より勇気がいる。ですが君‥君がいればいいんです。』

メモを見終わり、あたしは貴方の顔のパーツで一番好きな、一重に見えて実は奥二重の細い目を見つめました。
貴方はうつむき、あたしとは目を合わしませんでした。
そのあたしの大好きな目から大粒の涙がポタポタ流れ始めました。

ふと気付くとあたしの目からも貴方と同じ位の大粒の涙が流れていました。


―――――――――


‥あたし達は世間から見れば同じ病だったかと思います。

(だったかと思います。)と言うのは病院に行った事が無かったから詳しくは分かりません。

今だからそう思うのであって、その時は病だとか考えた事は無く、それはあたし達の中にのみ存在するのだと暗黙していました。
ですが今更、詳しく調べようなんてこれっぽっちも思いません。




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