投稿日05/17 18:23

「君、いつの日か。[2]」
すぅ

―――――――――

あたしと貴方はどれぐらい涙を流し続けたかは分かりません。

貴方が過ごしていたワンルームの部屋には日光を遮断する真っ黒い生地のカーテンがいつもかかっています。窓の横には天井まで届きそうな棚にはビッシリと本が並んで、その横には小さな机と椅子。机の上には明かりとしてアロマキャンドル。その香りはまさしく貴方にぴったりのダークな香り。そしてベッド代わりのリクライニングソファが貴方の定位置なのでした。

あなたはリクライニングソファに座り、あたしは貴方の膝元に寄りかかった状態で涙を流し続けていました。明かり代わりのアロマキャンドルはとっくに燃え尽きて部屋はまさしく闇でした。

この長い長い時間に時を刻んだのは貴方の方でした。
先程のメモに人気キャラクターの付いたボールペンで貴方は書き記します。

『体のありとあらゆるモノが出て行った様に思います。これでまた数日大丈夫かと思います。明日、又いらして下さい。君がいればいいんです。私は君がいてくれて嬉しく思います。』

読み終わり、あたしの大好きな貴方の目を見つめると今度は微笑みを返してくれました。あたしはもうそれで胸がキューッとなります。息が苦しくなりますので目を反らしました。‥が本当は息が苦しくなって心臓が止まっても良かった様に思います。

あたしは立ち上がり貴方に手を振り、
『それでは又明日お会いしましょう。』
と告げ玄関に向かいました。ドアを開けますと外は明るく、まさに朝方なのだなというさっぱりした青空で小鳥の心地好い鳴き声が聞こえました。

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