投稿日05/18 10:47

「『君、いつの日か。[3]』」
すぅ

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あたしとて貴方と同じ気持ちを抱いています。

ですが、敢えて貴方に伝えないのは貴方が何もかも解っていると思っていたからです。

そう、あたしの切なる気持ちを全て‥


―――――――――

あたしは貴方の部屋に毎日、行きました。

仕事で遅くなる場合は身が千切れる思いをします。

何かの都合でやむをえず行けない場合は気が狂いそうになり動機、息切れを起こします。

貴方はどうだったのでしょう。
やはりあたしと同じだったのでしょうね。

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明日になり、もうすぐ仕事が終わって愛しい貴方に会えます。

が、事もあろうに終わる数分前に残業を告げられました。あたしは断りました。今日は絶対に貴方に会わなければならないと思ったのです。ですが上司は聞く耳を持たず机の上に書類をドサッと置き
『コレ全部コピーしてまとめてってね』

他の同僚や後輩達はニヤニヤあたしを見ています。誰も手伝ってくれる人などいないでしょう。だってあたしには職場には勿論、私生活にさえ、友達すらいませんでしたから。

あたしは書類の山を見て情けなくも涙ぐんでしまいました。

ですが泣いた所で事態は変わらない事は解っています。

あたしは携帯を取り出し貴方にメールを送ります。

『ごめんなさい。貴方に会いに行くのが遅れてしまいます。ですが必ず行きます。貴方に会いに行きます。』



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