あちらのお客様からです




九十二頁と九十三頁の
すきまにぴったりと
はさまって
まどろんでいる
あい と こぶた
の行間で手をぐるぐる
回しながら
いい天気、と
まどろんでいる

炭酸のぬけたファンタ・
オレンジを一気に飲み干す
あまい と こわい
が喉をわかちあって通ると、
あわい になり
お腹のなかが
たぽたぽんと揺れる

ああもうなにもいただきとうない

云ったそばから九十三頁、左端
神様が落っこちてきて
しんでいる
(自殺?)
みあげると木目の天井から
蒼白い腕が
ひらき、桃をぽとり
手のひらに置いた

あちらのお客様からです

蒼白い腕がさす方向に
神様はおらず衣の抜け殻
あい と こぶた
の行間に
桃をはさみこんで
わたしはようやく抜けだし
マグカップのふち
まどろんでいる







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はなのかんむり






















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