おばけ



舌がそろそろ一人暮らしをしたいと云うのでどこに暮らしたいのかと訊ねるとグリーンランドの雪の下がよいと云う私は馬鹿じゃないのかそんなお金はないと一蹴をした舌はぐれてしまって気道にひっこんだひっこんだままでてこない大変困ったことに息もできない、あ、もしかしてもうすぐ死ぬのかもしれない

なんてヘルプレス、

たくさんのお尋ね者が空行にひしめいていて殺しあいをしているけれど気にしないで此方の岸辺まで助けにきてくれると信じていますあなたは血も涙もない人だからきっとそうする」(あなた)から手紙が届いて私はそのとおりにする血も涙もないので刺されても死なないしひっぱたかれても涙もでないとても使い勝手のよい体をしている空行はとても穏やかな表情で横たわっているあなたまではまだ遠い

話がつうじないんじゃなくて言葉がつうじないのとジュディは体現している体現のためのジュディに言葉はつうじない話はよくつうじているまるで電話線のようだわと雲は分散する草原のひろがる丘に落ちた影も急いでそうする、私は一時停止ボタンを押して床に頬をあてる

 おとことおんなの口論
 お腹のなかの記憶を知っている

あなたを助けに向かう途中
たぶん生物を踏んだ
緑色がみえて足の裏があっ
と驚いたから、だけれど
大したことじゃないと
誰かは云うだろう
よくあることだって
慰めてくれる
私はやわらかかったと
呟くだけで
ゆるされる

(ほんとうはもう舌に一人暮らししてもいいよって云いたいのかもしれないゆるされるようにゆるしてあげたいのかもしれないグリーンランドの雪の下を私もいまおもっている)


ふ、と
空行のうえに立ち止まる
やっとあなたにぴったりのたましいになる

すばらしい岸辺、



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はなのかんむり






















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