影のない犬
風がきゅるきゅると
ひざを撫でていく
遠くで子どもの泣きごえがする
にんげんの格好はきゅうくつで
日傘も
柑橘の香りも
水玉のワンピースも
わたしには似合わない
川原のどてに
背中をまるめて座りこむ
手あたりしだいに
草をちぎって 土にさわる
とても乾いた舌が跳ねる
よごれた指を嗅ぐと
犬が足元によってきた
ふぞろいの毛並みをさしだしたら
犬は ひゅうんと鳴いて
影をおとすのも忘れて
まっすぐ
まっすぐ
駆けていった
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はなのかんむり
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