暖色
たわわに熟した野いちごが二つほど、
Thereと呼べる位置に見える。
あと見えるのは、
オレンジ色のまーぶるちょこの太陽
(だけどきっと涙の味ね)、
まーぶるちょこに腕を伸ばした、
十メートルくらいのブロッコリー達。
他は
あってもなくてもいいような、だけど
なくてはならないような、
そんなもの。
ブロッコリーは私を見つけると、
こちらへおいで
と手招きをしたが、私は
そこへは行かないだろう。
線香花火の火の玉ような
野いちごの一粒一粒を見ていたら、
辺りは夜といえる暗さに突入していた。
まーぶるちょこは
食べられたのだろう、
黒々とした空にぽっかりと丸い黄金の穴をあけ、満足そうにしている
あの月に。
午後十時にはぜんぶの蛍光灯が
消えてしまうから、私は
それまでに戻るべきだ。
明日の朝、という訪問者を迎えられるところへ。
名前も知らない他人の、
深いもみじ色の
なま温かい血液をエネルギーとして、
今夜はもう眠りにつこう。
もう少しできっと、
あの野いちごに手が届く位置に
行ける気がする。
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はなのかんむり
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