雨やどり




あ、



わたしの足の
つまさきの
50センチ先の
アスファルトの
上、

そこだけ
小さく丸く
色が濃くなって
不安の空を
見上げたら、

次は
わたしの頬の
上、
冷たく浅く
少しずつ
肌を溶かしていくものだから、
慌てて走って
(町中が傘を
広げるより先に)
陸橋の下
逃げ込んだ。

あっという間に
どしゃ降りだ。
通り雨ならいいのにな。

手さげカバンから
リコーダー。
体操服は
取り出さない。

ドの音は
雨やどりの音。
覆う、
指で全部を。
囁く、
優しい息で。


ここに、いるよ。
わたしは、いるよ。



いつの間にかの
水溜まりに、
暖かい光が
浮いたら、浮いたら
わたしは少し
不足。

空、
流れる不安は
もう早足で
隣の町へ
去っていく。

追いかけていきたい
気持ちになるけれど
家へ、かえらなきゃ。

陸橋の下から
踏みだす右足、




あ。


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