きおく




雨の日のどうぶつえんは
とても静かで
母とつないだ手は
水滴にぬれて
なまぬるく ふやけて
同化してしまう

しまうまが草を食べている
食べられている草にも
いのちがあったということを
すっかり忘れながら
しまうまのお腹ばかりをみていた

花柄の傘を
くるくるまわしたら
色がまざって
わたしの肌も
くるくる変わって
色づいていく
無限色の人種になる

 やかんの沸騰した音で
 ふいに我に戻る
 慌てて青い炎をとめて
 溜め息をついた
 曇った硝子のむこうには
 しとしと雨が降っている
 コーヒーを注ぎ
 再び椅子に座り
 カップのなかの混濁を眺めた

閉園をしらせる
オルゴールのおんがく
欲しかった ぞうのぬいぐるみ
おーい おーい
遠くで幼いわたしが
わらって
手を振っている




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