さらわれた魚怪類





体の末端を冷やす日々だ
ひゅくひゅくと積もった日溜まりの中
母が足の裏をみつめている
魚の目ができている、と呟いて
それから
今日の夕ごはんはカレーライスよ
と笑って


ひつようなものは何だろう
私のえくぼなのか
母の落涙なのか、
判断のつかないまま
生きている
空にはトンビが葉書みたいに
飛んで、

いつだって
家にいるから
私たちは、きっと
さらわれているのだろう

足のついた魚の肉を食べると不老不死になるんだって

真昼の月に
鱗を一枚剥いで透かした
背びれのあたりが少しだけ
むずがゆい


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はなのかんむり






















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