さらわれた魚怪類
体の末端を冷やす日々だ
ひゅくひゅくと積もった日溜まりの中
母が足の裏をみつめている
魚の目ができている、と呟いて
それから
今日の夕ごはんはカレーライスよ
と笑って
今
ひつようなものは何だろう
私のえくぼなのか
母の落涙なのか、
判断のつかないまま
生きている
空にはトンビが葉書みたいに
飛んで、
いつだって
家にいるから
私たちは、きっと
さらわれているのだろう
足のついた魚の肉を食べると不老不死になるんだって
真昼の月に
鱗を一枚剥いで透かした
背びれのあたりが少しだけ
むずがゆい
[編集]
[*前][次#]
返信する
はなのかんむり
[掲示板ナビ]
☆無料で作成☆
[HP|ブログ|掲示板]
[簡単着せ替えHP]