段差のない家






深夜二時、炬燵で
ぱち、と目を覚ます
開いたままの
いんたあねっと
ここに段差はないんだよ

お風呂場で
水を飲むのが好きだった
子どもの頃を懐かしんでる
((カラン、という言葉を繰り返し呟く、満ちるまで))
天井から液化した声が
落下する
燃えつきそうな電球
が照らす石鹸
のなかの米印
※ここに段差はありません

濡れたままの髪で
ベッドに向かう私の
腕にはいくつかの
青あざがあることを
誰も知らないのは
素敵なことでしょう
寝室の窓は曇って
月がぼんやり漂って
いて硝子をギ、と
なぞっても段差はひとつも
見つからなかった

バリアフリーな毎日の
終わりはいつも土のなか
祈りのように咲いている
季節はずれの朝顔に
「私の骨が地の上に
二度とあらわれないように」






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はなのかんむり






















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