spangle





みえない声に耳をすまし
だけれど秋はながく
ながい溜め息の途中で
すべてをかき消してゆく、木々は
影よりもくらく揺れ
凍える星は眼にひかりを
届けても地面を
灼くことはなくて

真昼の熱を忘れたハーモニカを
抱くことはたやすく
それを拒むようにして
土のなかに埋めた
ふるえる、壁の
しろい腹に孕まれている
わたしはとうに
躯の多くを棄てて
のぞむものたちの元へと
渡したから
とても単純ないのちの
集合する
わたしたち、で

なくしたものだけを
数えている夜半
天の川など
はじまりからずっと
流れておらず
空の底
干からびた鱗片の淡くても、
ひとつ毎の
確かな
瞬きをみていた






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はなのかんむり






















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