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[1] 船医は再び僕の顔をしげしげと見ていたが
By Ryou
01-10 12:50
船医は再び僕の顔をしげしげと見ていたが、やがてシガーを口にくわえた。その顔はなんとなく物思いに沈んでいるらしく見えた。
「で、その人は帰って来ましたか」
「わたしは眠っていましたが、眼をさました時に、先生が寝返りを打つ音を聞きました。それから私は寒くなったので、窓をしめてからまた寝てしまいましたが、けさ見ますと、その窓はあいているじゃありませんか……」
船医は静かに言った。
「まあ、お聴きなさい。私はもうこの船の評判なぞはかまっていられません。これから私のすることをあなたにお話し申しておきましょう。あなたはどういうおかたか、ちっとも知りませんが、私は相当に広い部屋をここの上に持っておりますから、あなたは私と一緒にそこで寝起きをなさい」
こうした彼の申しいでには、僕も少なからず驚かされた。どうして船医が急に僕のからだのことを思ってくれるようになったのか、なにぶん想像がつかなかった。なんにしても、この船について彼が話した時の態度はどうも変であった。
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