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[1] それが丁度
By Ryou
03-08 01:11
それが丁度、橋番の小屋の前でしたから、おやじの久八を呼んで首実検をさせると、毎日この橋の上へ来て大川を眺めていた男は、たしかにこいつに相違ないというので、もう一言もなく恐れ入ってしまいました。そこで、だんだんに調べてみると、宗兵衛は前の晩に田町の家《うち》を出て、東海道を行っては足が付くと思ったので、中仙道を行くことにして、その晩は板橋の女郎屋に泊まったんです。明くる朝、そこからすぐに発《た》てばいいのに、例の宮戸川のお光に未練があるので、もう一度逢って行きたいような気になって、そこから又引っ返して馬道へ来たが、なんだか近所の人達が自分をじろじろ見ているような気がするので、思い切って露路のなかへはいることも出来ず、いっそ日が暮れてから尋ねて行こうと思って、あても無しに其処らをうろ付いているうちに、又なんだか両国の方へ行って見たくなった。多分お竹の魂に引き寄せられたのでしょうと、本人は怪談めいたことを云っていましたが、犯罪者はとかくにそうしたもので、自分に係り合いのある所へわざわざ近寄って、結局破滅を招くことになるのが習いです。宗兵衛もやはり其のたぐいでしょう」
これでこの事件の顛末は判ったが、最後に残っているのは金の蝋燭の問題である。それについて、半七老人はこう説明した。歯科 コンサルタント Blog - oonohirosi
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