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[1] 少女の給仕
By Ryou
09-04 02:34
少女の給仕が、縁のかけた大湯呑に、げんのしょうこを煎じた代用茶を入れてほのぼのと湯気だったのを盆にのせ、それを目よりも上に高く捧げて持って来た。課長は彼女がその湯呑を、いつもと同じに、硯箱と未決既決の書類函との中間に置き終るまで、じっと見つめていた。
少女の給仕が、振分け髪の先っぽに、猫じゃらしのように結んだ赤いリボンをゆらゆらふりながら、戸口近い彼女の席の方へ帰って行くのを見送っていた田鍋課長は、突然竹法螺のような声を放って、誰にいうともなく、
「あーア、昨夜から、何か変ったことはなかったかア」
と、顔を正面に切っていった。そして手を延ばして大湯呑をつかむと、湯気のたつやつを唇へ持っていった。破れ障子に強い風が当ったような音をたてて彼は極く熱つのげんのしょうこを啜った。近来手強い事件がないせいか、どうも腸の工合がよろしくない。
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