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[1] 奇賊烏啼天駆
By Ryou
09-26 19:01
 伯爵は奇賊烏啼天駆の話が初耳だったので愕いた。然し袋探偵の言葉の中に、ちょいちょい耳ざわりなところがあるのが気になった。或る箇所では、探偵は烏啼を尊敬しているようにも聞える。
 実は、これは深い由緒に基く。賊の烏啼と探偵の袋とは、永年追駆けごっこをしているのだ。お互いに背負い投げをいくども喰い、そしてにがい水をお互いにふんだんに呑ませ合った仲であった。年月が経るに従って、こんどこそ相手をとっちめてやるぞという決心がむらむらと湧いて来ると共に、相手に対する奇妙な懐しさも湧いて来るという始末であった。これも人情の機微であろう。
「で、その烏啼とやらが、僕の名画を盗んだことを白状したのかね」
「いえいえ、まだ、そこまでは行って居りませぬ。犯罪の性質と手口から判断して、この事件は彼烏啼の仕業にちがいないと推理した結果を御報告に参ったわけです」
「そんなら一刻も早く烏啼天駆とやらを縛りあげて、僕のところへ連れて来給え」

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