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[1] それだから、お前はだめだというんだ
By Ryou
10-10 00:28
「それだから、お前はだめだというんだ。太刀川は、日本進攻の際の、このうえないいい水先案内なんだ。お前には、それが分からないのか」
「え?」
「この男は、海洋学の大家だぞ。ことに、日本近海のことなら、なんでも知っているはずだ。この知識をわれらの目的につかうまでは、太刀川は大事な人間なんだ。おい太刀川。貴様にも、はじめてわけが分かったろう。生かすも殺すも、わしの勝手だ。だが、わしの命令にしたがえば、恩賞はのぞみ次第だ」
太刀川は、
(何を、ばかな)
と思ったが、それには答えず、何事を考えたのか、にやりと笑った。
「おい、衛兵長。それまでこの太刀川を監禁しておけ」
「は。どこへ放りこみますか」
「あいている部屋ならどこでもよい。それから、上等の食事に、酒をつけてな」
「は。たいへんな御馳走ですな」
「余計なことをいうな。しかし、逃げないように。もし逃がしたら、お前をはじめ衛兵隊全員、銃殺にするぞ」
「は、はっ」
衛兵長とよばれた下士官は、それきり一言もなかった。太刀川は、引立てられた。
リーロフ大佐は、それでもあきらめかねたか、酔眼をこすりながら、太刀川のそばに近づくと、たくましい腕をふりあげて、太刀川をなぐりつけようとした。
司令官ケレンコは、それをたしなめるようににらみつけると、衛兵たちにむかって、
「早くつれていけ!」
と命令した。
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