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[1] 姫と采女
By Ryou
12-26 19:08
 姫と采女とが逃げ込んで来たので、師冬の館でもおどろいた。不意の敵に襲われたという采女の報らせを聞いて、居合わせた侍どもの四、五人がすぐに門外へ駈けて出たが、狼藉者の姿はもう見当たらなかった。
 この報らせをうけ取って、師冬も眉をよせた。彼は妹を自分の居間へ呼びよせて訊いた。
「途中で不思議の狼藉者に出逢うたという。さりとは怪しからぬ儀じゃ。不意に抜き連れて斬ってかかるなど、よのつねの強盗ばらの仕業とも覚えぬ。自体、お身はこの夜更けに何処へまいった。」
 この問いには小坂部も返事にゆき詰まった。しかし相手が兄である以上、なまじいに包み隠さない方がよかろうとも考えたので、かれは正直に今夜の成り行きを話した。塩冶の一家の危急を救おうとして、その密告に赴いたことを打ち明けると、兄も幾たびかうなずきながら、思わず会心の笑みを洩らした。フィリピン留学 語学留学 クレジットカードでSEO対策するぞ

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