07/01 00:00

「しょう」
虹路


いまは、すごく自分が見えるようでがっかりしている。


目が悪いのも、よくない。

数m先の人の顔が見えない以上に、数cmも距離がない自分が見えていない。

知らなかったことを責めるより、知ったことを褒めてやろう。

あまりに無知過ぎる自分を励ますために、言い聞かせた。

後悔するのはいつも通り。
今回は深すぎて、浮くのに時間がかかっているだけ。

吐き出したものたちは数周もせずに、自分に戻ってきた。
即座に匿って、あっさり忘れる。
嫌なことだったのに、あっさり忘れる。

それが、腹立たしいから少し放っておくことにした。

曝しておけば、しばらく忘れない。
しばらく繰り返すことはない。


愚かしい矮小人間。

少しだけでもマシになりたいのにうまくいかない。

そのうち曝したことも忘れるのかもしれない。


記憶が落ちたところに優しさのようなものが入ればいい。

願うより、思いたい。


私は、まだいきたい。
いけるはず。


思う、ことを始めよう。

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