ふと君を思い出して…いや、それは正確じゃないな。君のことを忘れたことなんて一度も無いんだから。逢いたいと思って手紙を送ったらエラーが返って来てしまったから、僅かな望みをかけて此処に綴ろう。

・君は僕のお姫様だった
・白金
・別れは自然消滅

いつ離れてしまったのかもわからない。君はいつも消えてしまいそうな子だったから、僕が君との関係を諦めた時から終わりだったのかもしれない。最後に言葉を交わしたのは、もう数年前のことだ。

逢いたいな。君に話したいことがあるんだ、γクン。
2013/08/23 16:37

懐かしい王子様の足跡を一つ、また一つと辿って。行き着いた此処で立ち止まる事が果たしてオレに許されるものかと随分悩んだ。…ま、あんたの優しい痕跡の前で一服するくらいならお天道様も見逃してくれるかね。

心底あんたに惚れてたぜ、白蘭。だからあんたの腕の中が何処よりも心地好かった。だからさっさとお伽噺に幕を引く覚悟も持てなかったんだろうと、今ならもう過去の自分を嗤ってやれる。…だが、今はもう王子様に礼も謝罪も伝える術が無え。
薄れちまっても甘いままの記憶の中で、あんたがふざけた調子でオレの名を呼ぶ声や早く帰っておいでと笑ってくれた顔がやたらと鮮明に残ってるよ。繰り返し言われたあれらは魔法や呪いの類いだったかい？叶うなら解き方を教えちゃくれねえか、なぁんて甘ったれた台詞もあんたがもう此処を見ることは無いだろうと諦めが付くから言えるってもんだ。

一応鍵を載せる…にしてももう互いに覚えてることも少ねえだろう。ああそうだ、プラチナ、の名が付く場所にあんたはオレに黙って何やらいかがわしい事を綴ってたと記憶してる。フ、結局オレ達の関係はお伽噺の王子や姫も呆れるくらいにそりゃあ清いものだったがな。

…こんな風にあんたに語り掛けてみるのも、我ながら見苦しいにも程がある自己満足さ。万が一あんたが今のオレと同じように未来でこの言葉を見付けることがあったら笑ってやりな。それで…もし叶うならいつか何らかの形であんたに礼が言えたらいい。
あんたが幸せであるといい、白蘭。話したいこととやらももうすっかり忘れている程にな。
2021/06/16 22:53

君って最高に魅力的だよ。

凄いなーγクン。そういうところ、あの頃と全然変わってない。そうそう、君のそういうところが好きだったんだ。好きだったって、過去形に出来るくらいの時間が経ったね。そもそも8年前のこの記事が、君と別れてから何年目のものなんだい？君と最後に言葉を交わしてからは10年くらいが経つのかな。僕のことを見付けてくれてありがとう。お天道様は君を見逃してくれた？でも残念、僕の目は君を見逃すことが出来なかったみたい。

恥ずかしいなぁ。あの頃の僕と言ったら若くて、乳臭いったら無いね。君の中に残る僕の記憶が魔法や呪いの類なら、僕の中に残る君の記憶は、その代償かな。解き方なんて知らないよ。簡単にリタイア出来るゲームなんてつまらないだろ？あの頃の僕だってきっとそう思ってた筈だ。解きたいなら方法くらい自分で探してごらん。甘えてるの、γクン。可笑しいな、もしかして僕って君の前でそんなに甘い顔をしてた？アハハ、……これが冗談にならないくらい君に惚れてた記憶ばかり残ってるから笑えない。

残念だけど、僕は僕が本物の僕だと証明するカードを持ってない。差し出せるものが残っていなくてごめんね。8年前の僕が君に何を伝えたかったのかも、もうすっかり忘れちゃったな。
連絡先を残しておくよ。もしいつかの未来で君がこれに気付いて、その上僕と話してみようっていう気紛れを起こしたら、話しかけてみて。そのときは若かったあの頃の僕たちを笑って、今どんなオトナになったのか話そうか。君が来てくれるその日まで、とびっきり良いワインを開けずにとっておくよ。だからユニちゃんにも内緒でおいで。

いつまでも綺麗な君でいて。愛してた。
2021/12/26 20:18