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08-19 22:02
 【恒星の記録】
By スピカ [編集]



帰らない時なら
私はいらない
死んだ記憶なら

帰れ恋人なら
淋しい私に
声を分けてくれ
昔のように

選ばないで
私はかなり希薄

飾らないで
あなたはきっと微弱

東雲(しののめ)の時まで
起きて 観てるから

星たちの空を記録してほしい


慈悲深い心で
門を叩くなら
閂(かんぬき)をはずし

裸身を温める
恋人を迎え
差別(しゃべつ)に親しむ
悲しみの部屋

咎(とが)めないで
私はかなり希薄

阿(おも)ねないで
あなたはきっと微弱

暁のときまで
正気でいるから

星たちの空を記録してほしい
──────
──────
差別(仏教用語)・・・あらゆるものがあるがままに存在し、その価値を認めあっている状態。
──────

00089


08-01 21:33
 【片淵】
By スピカ [編集]


経済学部のあたりは
風が真夏を連れてくる

学生通りを渡って
私の窓に吹き寄せる

不安な心のまま
この町に来ないでね

ためらう言葉なんて
定義不能だから

わかってくれるなら
帰去来(帰りなん、いざ)片淵へ

わかってくれるなら


済生会の門からは
悩みのない空が見える

杖がわりの乳母車で
年寄りたちが闊歩する

彼女を想いながら
この町に来ないでね

未知数の愛なんて
二律背反だから

わかってくれたなら
歸去來(かえりなん、いざ)片渕へ

わかってくれたなら
────
────
経済学部・・・長崎大学経済学部
済生会(さいせいかい)・・・総合病院の名前
────
────

00088


07-27 19:46
 【若菜川】
By スピカ [編集]


峠を下れば左手の谷間に
流れも清らな小川が見えるはず

半農半漁の小さな世界まで
ゆらゆら流れる小さな川のうた

若菜川よ 若菜川よ
誰のために行く

僕もいつか川を伝い
あの人の里へ

若菜川は 若菜川は
浅い春のいろ

そして今日も
あの人とは会えないよと

告げた


許されるものなら僕も川になって
夢見たあの人を焦がれて流れたい

若葉の光を反射してただよい
小さな憂いを集めた川のうた

若菜川よ 若菜川よ
好きな人を得よ

僕もいつか川になって
あの人の許へ

若菜川は 若菜川は
僕を待たず往く

そして今日は
このあたりで引き返せと

告げた

─────
─────

00087


07-16 22:12
 【和楽団地】
By スピカ [編集]


夢の入口だね
あなたの住む町は
過ぎた日の優しさを思い出す午後

そして笑い声が
光とたわむれる
悲しみが遠ざかる そして温もり

──人が学べることは
あまりに少ないけど
──人が愛せるものは
数えきれないほどに

この町のあちこちにあるよ
和楽団地


愛を試すものは
いつでも多いけど
永遠の約束も信じられるね

弱気になるときも
未熟を恥じる日も
あなたを思い出せば
うまくいくはず

──僕が歌えることは
あまりに少ないけど
──歌いたくなるものは
数えきれないほどに

この町のあちこちにあるよ
和楽団地

──────────
長崎県西彼杵郡長与町
──────────

00086


07-15 06:51
 【コン・ソルディーノ】
By スピカ [編集]


弦(いと)に滑らす指を見ていた
風になろうと弦は泣いてた

光の庭で都会を忘れ
無邪気な心取り戻そうか

コン・ソルディーノ
君の声は小さすぎるよ
少し硬いし

コン・ソルディーノ
君は音楽


青いドレスを褒めてみようか
それとも細い脚にしようか

画家も詩人も出番がないよ
君は君だし 今は今だし

コン・ソルディーノ
君の声はかき消されるよ
少し痛いし

コン・ソルディーノ
君は音楽
──────
──────
コン・ソルディーノ・・・弱音器をつけて

00085


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