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10-16 21:24
 【定量の水槽】
By spica1004 [編集]


夜満ちて 星が輝き
わが心 いま遥かに往く

痛むなら痛いまま
言葉に変えるよ

忘れたい矛盾の日々に
息潜め 呪文をつむぐ

見えてない 見えてくる
世界の潮汐

記憶の支えは あなたの存在
見えてくる 満たされる
定量の水槽──

────
────

00142


09-14 22:48
 【神在す】
By spica1004 [編集]


雨垂れが土を打つ
寂しいね この村は

名も知らぬ神社は
価値のない時が往く

ここに神在す  カミイマス
言霊のままに

ここに神在す
鎮まりてあり

ここに神在す

──────
──────

00141


08-22 21:08
 【劇中劇】(R18)
By spica1004 [編集]


季節は無言で過ぎる
あなたはいつも優しく

有職故実(ゆうそくこじつ)を
正しく演じる

翻訳もののミステリー
犯人は誰でもいい

あなたも わたしも
アリバイはないわ

劇中劇を演るのなら
しっかり抱きしめてほしい

呼吸も髪も乱れたまま
さあ
最後のページまで 




熱くしすぎた珈琲
あなたは平気で飲んだ

今夜の序破急
満足したのね

複数の罠をかわし
わたしに手錠をかけた

動機も凶器も
あなた次第なの

劇中劇を演るのなら
しっかり見届けてほしい

あなたに貫かれたままで
さあ 最後のページまで

劇中劇を演るのなら
しっかり感じさせてほしい

汗に光る素肌を滑り
さあ 最後のページまで

────
────

00140


08-10 22:29
 【明日に】
By spica1004 [編集]


誰よりもあなたを愛してきたから
今日の日まで立ち止まらず歩いてきたんだ

あなたがいる日々を幸せと感じる
理由もなく根拠もなく毎日過ごすよ

ありがとう 微笑みを いつも
これからも ずっと そばにいて

昨日より 今日よりも 明日に
つながるよ きっと ふたりの
明日に

────
────

00139


08-03 19:15
 【夜に光る苔】──オリジナル小説「夜に光る苔」より
By spica1004 [編集]


夜に川を渡る水音
風を切った矢になり
胸に刺さる
言葉もなしに

海に沈んだ太陽の光を吸って
夜ごとに光る呪われた苔を窺う

光る苔を盗む者は許さない
たとえ知らず苔に触れた人でさえ

愛を水に変える虚白
声をからし叫ぶ恋人
すでに愛は
指を離れた

まどろみながら傷ついた体をさする
鬼火のような燐光が瞼に焦がれる

暗い窓に苔盗人が映った
青いガラス破って弾丸を放った

誘蛾灯になった苔たち
銃の叫び森を震わす
その人の死体は

・・・・・・・・・・・足元

00138


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