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08-08 21:20
 【ユウレカ】
By スピカ [編集]


どこかに
私を望まない人がいるなら
すべての愛を(無)にする冷たい視線を浴びたい

どこかに
私を許さない人がいるなら
言葉の刃物をみがいてむごく殺してかまわない

独りよがりの道徳
哲学のない疑惑

寒い心の裂け目に
罪が細くにじむ夜へと向かう──輪廻


こころを
閉ざして見えてくるものがあるなら
阿吽(あうん)の呼吸をはずしてユングの海で溺れたい

邪悪が
土星の力を得たというのなら
レーキを投げろ
農夫たち
愚者の咎めを気にするな

芸術を楽しむには人は黒くなりすぎた
言葉が通じたうちに蝋燭(ろうそく)を点すべきだった

ユウレカ! ユウレカ!

────
────

00059


08-07 19:43
 【ありふれた優しい笑顔】
By スピカ [編集]


懐かしい歌を歌ってくれなくていい

ありふれた優しい笑顔で応えてほしい

僕はまだ弱いよ。

滑(すべ)らかにはなれないで

乾かない涙を日だまりのなか
わざと落とした。

ありがとう──

あなたの瑠璃光に
僕は包まれているよ

ありがとう──

慈悲とその功徳が
この世界に溢れ出す


清潔な願い 見返りを求めぬ愛

忘れないうちに書きとめられた出来事

歌はまだ続くよ。

飽きることのないように

痛みから生まれた心はそっと
奇蹟を起こす。

ありがとう──

あなたの寂光(じゃっこう)に
僕は包まれているよ

ありがとう──

知恵とその散華(さんげ)が
この世界に溢れ出す

道はまだ続くよ。

すべての国を通るよ

許しあい 励まし
ひとつになれる
教えを運ぶ。

ありがとう──

あなたの瑞光を
誰もが見上げているよ

ありがとう──

歌頌(かじゅ)とその伎楽(ぎがく)が
この世界に溢れ出す

───────────
───────────
瑠璃光……薬師如来の別名だが、ここでは安らぎの光といったところ。

寂光………極楽を常寂光土ともいうが、ここでは希望の光といったところ。

瑞光………仏の出世(現世への来臨)を告げる光。

歌頌………カンタータみたいなもの。
伎楽………オラトリオみたいなもの。

00058


08-07 19:32
 【夢の流れ】
By スピカ [編集]



いくつも
橋を過ぎ

小川は
町に出る

夢みてた人は──
今も夢のなか

かすむ笑顔のように
今も夢のなか


別れは
華やいで

小さな
家のそば

聞こえればいいね
さよならの声が

夢の流れはやがて
深い海になる


たくさん
人が死に

たくさん
川になる──

出会えたよろこび
なくしたしあわせ

すべてこの川のなか
すべて流れてる
─────
─────
*この川の名は若菜川。河口は長崎市の茂木(もぎ)地区です。

00057


06-28 22:24
 【鏡─8分19秒─】
By スピカ [編集]


恋の一つや二つなど
とるにたりないことだけど

世界はまだ暗く──君の愛撫を待っていた

夜明けの不思議な光が君の輪郭をなぞれば

歴史は武器となり──君の正義を押し付けた

肩に
髪に
腕に
胸に

ふりつもれよ微粉末

僕の敵は僕が倒す──安心して

君が守る君の世界
理想は現実の鏡


主題もなしに小説を
書いた人たちが増えすぎ

世界は甘くなり──君の殴打を待っている

8分19秒 光が旅するあいだに

遺伝の拡散(核酸)は──君の嘔吐をうながした

膝に
腰に
尻に
臍に

ふりかかれよ深層水

君の敵は神が殺す──むごたらしく

僕は阻む僕の世界
理想は現実の鏡

指に
爪に
眉に
舌に

ふりしきれよ真菌類

神の敵の名前は神──間違いなく

僕は妬む君の世界
理想は現実の鏡
─────
─────
太陽光が地球に届くまでが8分19秒です。

00056


06-02 19:06
 あの頃
By スピカ [編集]


今も忘れない
爽やかな憧れ

僕の好きだった
伸びやかな光

いまはお互いに
遠い町にいる

いつか会えるかな
晴れた朝の庭で

僕の記憶は
色褪せないよ

信じているよ
君は変わらないと


今も忘れない
真っ直ぐなまなざし

僕の好きだった
飾らない言葉

それなのにすれ違う
あの頃の不思議さ

しかたなかったと
もう悔やまないから

僕の記憶は
原色のまま

信じているよ
君は笑っていると

────
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00055


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