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03-03 23:03
 【海峡】
By spica1004 [編集]



海の記憶を拭い去りたい
ひたすら自由を求めていたい

海鳴りからは背中を向けたい
みじめで卑しい笑顔は見せまい

原始の海は
母につながり
やがて静脈になる

深く澱(よど)んだ静かな呪縛を 
誰も解毒できない



海の匂いを中和してくれ
僕の悪意を暴露してくれ

君の涙が両手に溢れ
偽りの神ここに鎮まれ

ここは海峡
いまなら間に合う
命をゆさぶる

強く重い確かな禁忌を 
回避できないままに

─────
─────

00159


03-02 21:36
 【あなたとはいつも】
By spica1004 [編集]



とれたての葡萄
口にしたような
すがすがしい朝
青空に笑顔

響きあうでしょ
街と人が
風を集め うまれかわる
明日を探し うまれかわる

あなたとはいつも
ここで会っています



まどろみの丘で
歌を作りました
ありふれた言葉
なつかしい旋律

気づかないでしょ
私の愛
小さすぎて 声にならず
形がなく 目に見えない

あなたとはいつも
夢で会っています

────

00158


02-25 06:54
 【angel hair】
By spica1004 [編集]



星が降らすものは
angel hair
輝きながら癒す罪

人から人へと
伝われ meme
善きも悪しきもあるがまま

 隔てある雨はないように
 こころをすべて解かしあえ

夜を満たすものは
angel hair
苦い痛みに似た記憶

島から島へと
伝われ meme
歪みを増幅させたまま

 正しいものを求めるなら
 それこそが誤りと知れ

星が降らすものは
angel hair
無垢の隙間を埋めていけ

人から人へと
伝われ meme
歌われる価値を産み出せ

────
────

meme(ミーム)……文化遺伝子と訳される。

00157


02-22 21:11
 【village】
By spica1004 [編集]



遠くに行こうと
思いながら
そんな勇気も
ないままに
この町に甘えて
生きてきた

どこかにあるはず
私のvillage
あるべき姿で
生きていく
死んでいく
理想郷

旅に出るべき時に
思い出が邪魔になるのだ

孤高の強さを
保てない



明るい昼間に
いざなうvillage
言葉にできない
原罪(つみ)がある
鍵がある
──帰りたい

地上にあるとは
言い切れなくとも
渇望するほど
近くなる
見えてくる
理想郷

人を愛する時は
風向きが意味を持つのだ

寡黙と欺瞞が
混ざりあう

────
────

00156


02-12 22:07
 【乖離】
By spica1004 [編集]



思い出に残るなら
なんだって許せると
思ってた……

甘すぎた……

愚かしい自分だけは
許せない

僕は
こんなつまらない
時間のなかを泳いでる

君は
高く高く飛んで
僕を評価しなくなる

こうして時だけが
流れ果てゆく

悲しむことだけが
僕に許される

00155


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