エターナルゾーン日記板
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[20]
By TUINDAYO
6年後
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――――六年後
――――バスカル・アック区
朝の光が街を照らしていた。
鍛冶屋の前。
レインは大きな荷物を背負って立っている。
ラウスは腕を組んで見送っていた。
「気を付けて行くんだぞ」
レインは元気よく振り返る。
「あいさっ!」
そして笑った。
「行ってきます、父さん!」
ラウスは少しだけ目を見開く。
だがすぐに鼻を鳴らした。
「おう」
レインは駆け出した。
石畳を蹴りながら。
その背中をラウスは見送る。
(大きくなったな)
そんな言葉は口にしない。
ただ静かに見つめていた。
――――――――――
「えーっと」
レインは荷物を抱え直した。
「ダイコンさんの店できずぐすり」
指を折る。
「ティールさんにブロンズソードの納品」
さらに指を折る。
「今日は忙しくなるぞー!」
走り出す。
すっかり街にも慣れた。
角を曲がれば近道。
そう思った瞬間。
ドンッ。
「きゃっ!」
「うわっ!」
レインは尻もちをついた。
慌てて顔を上げる。
そこには少女が立っていた。
金色の髪。
柔らかな瞳。
陽の光を受けて輝いて見える。
レインは思わず見とれた。
(わあ……)
目が輝く。
(金髪美人だ!)
少女は慌てて頭を下げた。
「あ、あの……」
レインは我に返る。
「あっ!」
立ち上がる。
「ごめん!」
手を差し出す。
「大丈夫?」
少女は少し驚いたようだった。
そして手を取る。
「はい」
立ち上がりながら微笑む。
「ありがとうございます」
レインはまた見とれた。
(笑った……)
少女は不思議そうに首を傾げる。
「あの?」
「!」
レインは慌てて首を振った。
「あはは!」
笑って誤魔化す。
「大丈夫だよ!」
少女もほっとしたように笑う。
「良かった」
レインは慌てて荷物を持ち直した。
「ごめんね!」
そして走り出す。
「僕急いでるから!」
振り返りながら手を振る。
「またね!」
少女はしばらくその背中を見送っていた。
――――――――――
ティールの家。
机の上に湯気の立つお茶が置かれる。
レインは壁に掛けられた短剣を見ていた。
見覚えがある。
誰よりも。
「あれ……」
思わず呟く。
「マサルの短剣だ」
ティールが振り返った。
「どうしたの?」
レインは慌てて首を振る。
「あっ、いや……」
ティールも視線を向ける。
そして小さく笑った。
「ああ」
懐かしそうな顔。
「マーサルの短剣ね」
レインは黙って聞いていた。
「もう二年になるかしら」
ティールは壁を見上げる。
「急に出て行くって言い出したと思ったら」
苦笑する。
「私の家に置いていったのよ」
そして肩を竦めた。
「ほんと何考えてるんだか」
けれど。
声はどこか優しかった。
レインは尋ねる。
「心配じゃないの?」
ティールは少しだけ考えた。
そして笑う。
「そうねぇ」
窓の外を見る。
「心配ではあるわ」
小さな沈黙。
だが次の言葉に迷いはなかった。
「あいつなら」
ティールは笑う。
「きっと大丈夫よ」
レインもつられて笑った。
「……えへへ」
その言葉を。
誰よりも信じたかったから。
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[返信] [編集]2019 03-05 23:45 [pc]
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