エターナルゾーン日記板
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[23]
By TUINDAYO
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ザクッ!!
鈍い音が森に響いた。
レインは思わず目を閉じる。
(やられた――!)
そう思った。
だが。
痛みは来ない。
恐る恐る目を開く。
「あれ……?」
目の前には斧。
そして。
小さな影。
「全く」
聞き覚えのある声だった。
「世話の焼ける人間ッスねぇ」
レインの目が見開かれる。
「君は!」
振り返ったゴブリンが鼻を鳴らす。
「さっきのゴブリン!」
ゴブリンは得意げに胸を張った。
「こいつはここら一帯のボスってやつッす!」
背後ではGOBLIN LUMBERJACKが怒りの声を上げている。
「ーー!!」
ゴブリンは青ざめた。
「ほら!」
レインの腕を引っ張る。
「さっさと逃げるっすよ!」
「う、うん!!」
---
しばらく走った。
森を抜け。
町へ続く街道近くまで来て。
ようやく二人は立ち止まった。
ゴブリンは大きく息を吐く。
「ふぃ〜……」
額を拭う。
「ここまで来れば大丈夫っすね」
レインはゴブリンを見つめた。
(ほんとにゴブリン……?)
どう見ても魔物。
なのに。
助けてくれた。
レインは頭を下げる。
「ありがとう」
ゴブリンは照れ臭そうに鼻を擦った。
「ふんっ」
そっぽを向く。
「おいらの手にかかれば余裕っすよ」
そして歩き出した。
「じゃあおいらはこの辺で――」
その時。
ボトッ。
何かが地面へ落ちた。
ゴブリンは気付かない。
「んん?」
首を傾げる。
「心なしか頭が軽くなったような……」
考え込む。
「うーむ、やっぱり良いことはするもんっすねぇ」
レインは地面を見た。
見覚えのある王冠。
「あっ」
拾い上げる。
「これ落としたよ」
ゴブリンが振り返る。
「おっ?」
笑顔になる。
「すまないっすねぇ」
受け取る。
そして。
固まった。
「…………」
数秒。
沈黙。
次の瞬間。
「ほんぎゃあああああああああああああ!!!!」
森中に悲鳴が響いた。
レインは飛び上がる。
「うわっ!?」
ゴブリンは震える手で王冠を掲げる。
「お、おおおおいらの王冠がぁぁぁ!!」
中央が大きくへこんでいた。
見るも無惨な姿。
ゴブリンの目に涙が浮かぶ。
「はっ……!」
突然何かに気付く。
「まさか!」
空を見上げる。
「さっきあいつの攻撃を受け止めた時に……!?」
膝から崩れ落ちる。
「そんなぁぁぁ……」
レインは困った顔をした。
「そんなに大事なの?」
ゴブリンは即答した。
「大事なんてもんじゃないっす!!」
王冠を抱き締める。
「これは命より大切な物っす!!」
そして。
しょんぼりする。
「変にカッコつけるんじゃなかったっすぅ……」
レインも申し訳なくなる。
「ご、ごめん」
「んやっ!」
ゴブリンは首を振った。
「責任は取ってもらうっす!」
ビシッと指を差す。
「この王冠を絶対直すっす!!」
レインは腕を組む。
「うーん……」
しばらく考えた。
そして。
顔を上げる。
「そうだ!」
拳を握る。
「父さんに聞いてみよう!」
ゴブリンが瞬きをする。
「父さん?」
「うん!」
レインは誇らしげに言う。
「父さんなら直せるかもしれない!」
ゴブリンの目が輝いた。
「なんですと!?」
レインの肩を掴む。
「ならその父さんとやらの所へ連れて行くっすーー!!」
[返信] [編集]2019 03-05 23:49 [pc]
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