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[1] ドリーム・レイク・ビュー/PIERROT
By PIERROT
06-16 03:48


アマゾンの秘境にある 無名の湖群に、浮かび
咲き乱れた
睡蓮の花には火だけがくべられて、
茎は、
串に突き刺され、
光合成に満たされた緻密な階段状の空間
皮膚を比喩しながら
数えきれないほどの銀河系を
石灰岩の湖面で 泳がせて 数えそこねた
星を留められずに 六等星の光虫になる舌の苔が
びっしりと時間にまとわりついて

木菟の囀りが 映像に 溶けて 滲んでいきます、

梅雨冷えの自然林 その群生から、
誰も飛び立てないでいる青い星の早朝、

霧がかかる乳白色の 湿度と雪結晶漂う岸辺では、
赤い長靴の、少女が、水面に咲いて
波紋だけが、機能する、星の地平線から妊娠線へと
辿る指に伝う人のにおいを目指して、
蔓延る葛を這う優しさだけが現れては堕ち、
堕ちては現れ、
石灰化は、透明なメカニズムで、
少女の腹を切り裂く

内臓にだけしか湧かない、暗黒物質が、
雷鳴を轟かせはじめるその頃には、
沖に出て久しい手こぎボートは沈みはじめていた

雨足が強まり 少女の縺れかけた表情は解れていく
ばらばらに今にでも離散しそうな意識を、
彼女は女になっては、押さえつけ
手のひらに掬い上げている

その雫は 真珠 光輝きながら 堕ちる 豚

いつの日にか その波紋だけが きっと

誰かの手に届くのだろうか

灰色の雲間からは かつてといまを重ねる指の 隙間

光の束 さまざま
静かに 焼かれる 心臓だけが 愛と情を繋ぐために、

やがて辺りにはチャペルの音が鳴り響き
子供からはまだ、帰れないままで、
彼女は、
どこかに
帰っていく
帰るところがある人には、
帰るところなどどこにもないこと、
既にもう それは 知っていたはずなのに

知らされた はず なのに



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