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[4]ハナ(SH005)
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「そこはごめんじゃねぇだろ?」
腕を組み眉尻を上げてコレットを見る。ロイドの望む言葉を察したコレットははにかみ混じりに言った。
「あ…ありがとう、ロイド。」
笑みを零して頬を掻くコレットを見てロイドは満足そうに笑った。
「よし!人にお礼を言う時はありがとうだろ?」
「そだね、ごめん。」
コレットは口癖のようにごめんの言葉を発する。そんな人の顔色を見て生きるコレットを、救ってやりたい、守ってやりたいとロイドは日々思っていた。
数日後、コレットは再生の神子として旅立つことになった。ロイドとは別れることになる。
「コレット!!!俺も着いて行くからなっ!!?」
シルヴァラントという世界を救う旅。その重要な任務に一人立ち向かうコレット。一人の少女には荷が重すぎる。そんなことは周りの大人達も分かっていた。しかし神子は一人だけ。託すしかなかった。
「…だめだよ。旅の途中で危ない目に遭うこともあるかもしれない。ロイドをそんな目に遭わせられないよ…っ」
瞳に涙をいっぱいに溜めて言葉を紡ぐコレット。ロイドは必死に説得しようとする。
「俺には何の為に剣があるんだ!?コレットを守る為だっ!ただ待ってるだけじゃ、何もしてやれないじゃねぇか…っ」
握り拳を自身の膝にぶつけ悔やむロイド。コレットは寂しそうにではあるもののはっきりと言う。
「ロイド、ごめんね?私、頑張ってくるね!」
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