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好きと言ったお前があまりにも真っ白だから殺したくなった。 そう告げれば「はあ?」なんて心底呆れた声。おまけに興味無さそうに携帯いじってる。ひど。さすがに傷つくよそれ。松ちゃんは相変わらずブラックコーヒーみたいな奴だ。 「なにその例え」 「んー、甘さがない」 「‥全然上手く無いんだけど」 「そりゃどうも」 おどけたように肩をすくめてみせた。顔はまあ良い方だと自負しているから大抵の女はこれをやればイチコロ、とまでは行かないけどちょっとはときめく。はずだ。 けど残念ながら松ちゃんは違う。在るべき膨らみがなくて、在るはずのない棒がついてる。つまりは俺も松ちゃんも男だって事実。紛れもない矛盾が俺と松ちゃんの間に横たわっているのだ。 そりゃティファニーの指輪だのグッチのバッグだの聞いたこともない新興ブランドなんぞに金を注ぐこともないし。楽かと聞かれればまあ楽だと言える。そう言い切ってしまう為には色々と常識を無視する必要があるけど。 「松ちゃんってさ、色白いよね」 「…、そりゃどうも、あっ…」 「だからお前選んだのかな」 「お、前、は、バイだから、な」 俺に揺さぶられながらも皮肉垂れる松ちゃんを見るのは滑稽だ。たぶん第三者がいたら俺に揺さぶられながら皮肉垂れる松ちゃんを滑稽そうに見る俺、の方が滑稽だろうけど。脳みそはドライアイス並に冷めてんのに身体は熱いんだから人間って不思議だ。人間イズミステリアス。 「は、あっ…も、出る、」 「……っ」 「あ、」 吐き出した欲望を松ちゃんに注ぐ。荒い息を整えようともしないで松ちゃんがしがみつく。その真っ白な腕とおんなじように真っ白な松ちゃん。きっと俺達の関係に疑問なんて持たないんだろう。それとも。 「…俺は馬鹿じゃないから、」 「なに、松ちゃん?」 「んー、何でもない。それよりもっかい、しよ?」 目の前の現実を無視し続ける松ちゃん。気付かないふりをする俺。 どっちが賢いかなんて、どっちも馬鹿だって言うしかない。そうして俺達は今日も何億という命の種を殺すのだ。意味さえ持たない俺達の答えは死んだ精子だけが知っている。
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