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腕時計の針の音が、馨を急かした。 握ったナイフは柄も刃も錆びていて、持つ手に汗をかくと柄の部分が水分を吸ってきつい鉄の臭いを放つ。 …馨はナイフを左手から利き手に持ち変えた。 これは"衝動"であって、決して"焦り"ではない。 馨は自分にそう言い聞かせながらゆっくりと待ち合わせ場所まで歩数を進める。 途中2回ほど馨は足を止め、何かを考えるように足下を見つめた。 脳裏に焼き付いている記憶が意志の邪魔をする。 馨はかぶりを振って、再度歩きはじめる。 もう堪えきれないことは自分自身が一番よく知っていた。 やがて長身の男の背が馨の視界に入る。 男は灰色の背広を着ていた。 馨はぎゅっとナイフを握る手に力を込め、男の影が靴の先に届く位置まで一気に走った。 「抱いてください」 馨はそう言って男の首に思い切りナイフを突き立てる。 血しぶきが辺りの草やアスファルトを真っ赤に染めあげ、ナイフの錆びと同じ臭いを放った。 馨は男の血を自分の体中に塗り、手についた血は丁寧に舐めて、深い快楽に浸る。 「…貴方が僕を抱いてくれないから、貴方の血を身に纏ってその気になるしか、僕には方法がなかったんです。」 END
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