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「原田さん、原田さん、原田さん」 「うっさい」 「……すみません…、」 小説を黙読していた原田さんを背後からぎゅっと抱き締めて肩に頭を乗せながら愛しい人の名前を呼び続けていれば、原田さんにキレられた。 今更だが最近、原田さんが冷たいのです。 嫌、冷たいっつーか素っ気ないのはいつもの事だけど、なんかいつも以上に冷たいのです。 少しそんな原田さんにムカついて、泣き叫ぶくらいぐしゃぐしゃに犯してやりてぇとか思いながらも俺は渋々原田さんに謝る。 目前にある原田さんのボサボサに近い猫っ毛からは、シャンプーのいい香りがして俺はつい原田さんを抱き締めたまま夢のくにに逝きそうになってしまう。 「原田さん?」 「なんだ、黙れ煩い」 「……原田さんのばあか、」 俺は素っ気ない態度(まぁシカトされるよかマシだが、)をとる原田さんの耳朶に噛み付きながら言えば、原田さんはいきなり赤くなって女の子みたいな反応をする。 あ、可愛い。 俺はガタガタと必死に俺から逃げようとする原田さんを強く抱き締めたまま、ノリ的に耳朶に開いた大きな穴に舌を這わせれば原田さんは小さく吐息混じりに甘い声を漏らす。 「……ちょ、くすぐった…っぅあ、」 「舐められたくらいでエロい声出さないで下さいよ、俺勃っちゃいますよ」 原田さんは真っ昼間からエロい声を上げ、必死に平然を装うかのようにページがぐしゃぐしゃになる小説を読み続ける。 原田さんの指先に力入ってくしゃ、と原田さんが持ってる恋愛小説は音を立て皺を刻む。 やばい、これは勃ちそうだ。 俺はバレないように、そっと腰を引きながら原田さんの耳から顔を離す。 すこし悪戯し過ぎたせいか、原田さんは顔を真っ赤にして口端から唾液を滴ながら机にうつ伏せになる。 すみません、最高にエロいです。 「……笹山、」 「え、あ、はい!」 俺は原田さんに呼ばれて少しびくってなりながら、俺は返事をした。 原田さんは赤い顔をして俺を睨みながら、膨らんだ柔らかそうな唇を動かして呟いた。 「お前ぜってー殺す、」
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