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全くもって………勝てない。 誰に……? それは…………香一くんに。 何一つ勝てないんだな、コレが。 たいして努力もせずにある程度の事を器用にこなして来た俺だけど、何でかなぁ………多分彼にだけはどんなに努力しても勝てる気がしないんだよねぇ…。 勉強にしても、武術にしても………。 置いて行かれる様な焦燥感がいつも纏わりつく…。 俺が勝ってるのはなんだ? 1cmばかり大きな身長と、相手を思う気持ちだけ…? うーわ………情け無い…。 同じ男としてメッチャ情け無いだろ…。 思わず頭を抱える。 「何してんの……?」 「え………?」 突然話し掛けられてビクッと肩を揺らすと俯いていた顔を上げる。 俺の目の前には不思議な顔して覗き込む香一くんの顔。 …………いつの間に。 「んー…?何でも無いよ?」 ニッコリ笑い掛ける俺に香一くんの眉がギュッと寄る。 ………言える訳無いでしょうが……。 キミに劣等感を感じて落ち込んでるなんてさぁ…。 「すっげぇ難しい顔してたんだけど…?」 「気にしない、気にしない」 ニコニコしながら首を傾げ相手を見上げる。 俺達の通う学校は離れ小島に建っていた。 島丸ごと学校の敷地で、完全寮制の高校、大学。 だからこの島には学生、教師のみ……と、数人のバイト……かな? 何だか……自由の様な、縛られてる様な……。 でもみんな気侭に楽しく過ごしていた。 それで今俺はこの島で唯一の購買兼レストランに居た訳で……。 それでイスに座りながら一人で勝手に落ち込んでた訳で……。 「分かんねぇけど……そんな顔してんな…?」 そんな顔…、どんな顔…? あぁ…きっと情け無い顔。 ニッと口角を上げ目を細め笑うと腕を伸ばし俺の頭をグシャグシャっと撫でる。 俺の黒髪直毛ロン毛の髪が耳元でサラサラと音を立て耳をくすぐった。 ゴメンね? お安い男で……。 頭を撫でられるだけで……さっきまで落ち込んでた気持ちが消えてしまうんですよ。 そんな俺の表情の変化に気付いた香一くんはクスクス笑って俺の向かい側のイスに座った。 有坂 桜花(アリサカ オウガ)高校三年 只今自分の恋人によって手の平の上で転がされてます。 -end-
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