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別に、どうでもいいけどなんかムカつく。こいつ、俺んとこに遊びに来たんじゃなかったっけ。 「へえ。彼女、綺麗になったね」 「ははっ、そんなこと言っても何も出ないよ?」 「なんでそんなこと言うのよー」 『お前んちに行っていい?』 そんなメールが来たから、 『来たいなら来れば』 そんなメールを返したけどさ。よくよく考えたら、俺に用があるだとか遊ぼうだとか、やろうだとかは書いてはいなかった。 それに、彼女と一緒ってことも書いてなかったじゃん。別にどうでもいいけど。 そう心の中で独りごちながら、二人に背を向けた。 別にどうでもいいけどね。寛人はシン兄とも仲が良いし。 寛人は一人っ子で兄弟がいない。家も近いし幼なじみとして育った寛人は、俺たち兄弟にとっても兄弟の一員のような存在で。 今夜はシン兄の職場の週一の定休日で、たまたまシン兄が居合わせた。それはそれで別にいいけど、彼女まで連れてくることないじゃん。 なんて、どうでもいいことをうだうだ考えながら、自室に戻ってベッドに突っ伏した。 寛人とはただの腐れ縁の幼なじみで、お互いにの間に恋愛感情は微塵もない。ただ、初体験のほとんどを寛人と済ませたから、情が移っているだけだ。 確かに、寛人に男としか恋愛できないことを気付かされたけど。 それは寛人が好きだったからじゃなく、好奇心から関係を持ったからだ。 だから別にどうでもいい。寛人はバイセクシャルで彼女がいて、俺には彼氏がいて。そんなことは別にどうでもいいけど、彼女を連れてくる必要はないだろうが。 なんとなく、悶々とした苛立ちを感じていると、 (――――コンコン) 聞き慣れたノックの音がした。 無視してやる。 (―――コンコンコン) 一回増えた。 再び無視。 (―――コンコンコンコン) もう一回増えた。 三度(みたび)無視。 (―――コンコンコンコンコン) またまたもう一回。 意地になって無視してみる。 (コンコンコンコンコン・・・・) 「ああ、もうっ。うるせ」 いつまでも鳴りやまないノックに閉口して、仕方なしにドアを開けてやった。 「なんか用?」 こいつはチャラく見えて、実は結構思慮深い。了解を得てからじゃないと行動に移さないし、それは俺に対してに限られたことでもないけど。 多分、放っておいたらずっとドアをノックし続けたんだろう。 そう思ったからドアを開けてやっただけだ。 「用がなきゃ来ちゃいけない?」 「彼女は?」 「邪魔だから帰らせた」 「・・・・・」 別に、気にしてた訳じゃないけどね。俯せから仰向いて天井を見つめていたら、寛人が俺のベッドに寄ってきた。 「なーに拗ねてんだよ」 「別に」 「なんだよ拗ねてんじゃん」 「別にって言ってる」 確かに、ちょっと機嫌が悪いけどさ。寛人は別に気にしてないようで、ベッドに腰掛けた態勢から身を寄せてきた。 「妬いてる?」 「妬いてない」 「ふーん。俺はヨウが七海ちゃんといたら妬けるけどな」 なんて思ってもないことを言いながら、俺のズボンのベルトを外しに掛かる。 ムカついた。なんでか知らないけどムカついた。なんでこいつはいつも、こんなに自分勝手なんだよ。そう思ったら。 仰向きから態勢を変えて、俺は寛人をベッドに組み敷いた。 「なに。いやに積極的だね」 「尻貸せ」 「えー、今日は借りようと思って来たのに。まあ、別にいいけど」 どうせ、そんなことだろうと思った。寛人と俺とは、それしかすることがない。 幼なじみといっても性格も嗜好も正反対で、たまたま同い年だったから一緒にいただけだ。寛人が好きな音楽や遊びなんかにも興味がないし、話題がない。子供の頃はそれなりに学校の話なんかもしてた気もするけど。 今はたまに恋愛の相談にのってくれるくらいで、行動範囲も交友関係も全く違っている。 「・・・煽んなよ」 「なにが」 妬かせようとしてただろうが。別に妬いてないけど。 そんなどうでもいいことを考えていたのはそこまでで、俺は寛人の躯に溺れていった。 「・・・んっ。あ、んっ」 案外、寛人はセックスの間に可愛い声を出す。普段は気まぐれで何も考えていないようで、実はかなりの策士でもある。 今回のことも、もしかしたら寛人に嵌められたのかも知れない。そう思うとなぜか悔しくて、わざと酷くしてしまう。 「――――っっ、ああっ!」 無理矢理窄まりをこじ開けて、中指を一本突っ込んだ。寛人の先走りでいくらか濡れてはいたが、さすがにそこはまだ硬かった。 「力抜けよ」 「ばっ、バカやろっっ!」 ローションを使えと息も絶え絶えに言ってくる寛人を無視して、なかをぐちゃぐちゃに掻き混ぜた。 (――――ぐぷっ、ぢゅっ) 内壁を守る為の粘液と僅かな先走り、俺の唾液で音が立つ。何度も繰り返された行為にいくらかこうやって解してやれば、寛人の尻孔もすぐに口を開けるようになった。 「――――っっ、ああっ!」 寛人の尻孔は、簡単に四本の指を根元まで飲み込んでしまう。激しさを増す行為に喜ぶ躯は、淫らに朱く染まっていた。 「これなら、ローションはいらないな」 「ばっ――――、ああっっ!」 ついでにコンドームもいらないよな。ここは俺の部屋だし、別に精液で汚れても支障はない。服も脱ぎ捨てて床に蹴落としてあるし、こちらも汚れる心配はない。 (――――つぷ) 「・・・んっ」 「ひぃあっっっ!」 寛人の窄まりに自身を宛がえば、俺自身の重みで寛人の中へ沈んでいく。シーツを掴んで俯せた寛人の腰を掴んで、いきなり律動を開始した。 「なあ、ヒロ。こういうの好きだよね。お前」 見た目に反した変態さんだもんな。そう耳元で言ってやると、躯がびくりと反り上がる。がつがつと遠慮なく腰を使った。こうされると寛人が喜ぶことを経験上、よく知っている。 ああ、そっか。 やっとわかった。 やっぱ、お前。煽ってたんだ。 尻孔を掘られたくてさ。だから彼女を連れてきたんだ。 寛人とするのは嫌いじゃない。そうして寛人自身のことも。 だから、今回のことも別に気にしないことにした。俺の下で悶える寛人がなんだか可笑しくて。 「出すよ」 「ちょ、待っ、ヨウっ。―――あああっっ!」 追い込みを掛けた俺は、寛人の尻孔に精液をぶちまけた。 「はぁはぁはぁ」 虫の息の寛人を壁に向けて反転させれば、ぱっくりと口を開けたままの尻孔からどろりと精液が流れ出る。 「ヨウ。お前なあ・・・」 その後は言葉にならなくて、寛人はただ、俺の胸に顔を寄せてきた。寛人は俺とほぼ同じ身長で、寛人の方が俺より少し背が高いくらい。 そんな寛人を可愛いと思ってしまう俺は、もう終わっていると思う。 ・・・いろんな意味で。 end. 下のスレッドの「二人の時間」に登場する新田家三男の要(ヨウ)のお話。
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