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「…背徳的だな」 大理石の床の上、身を投げ出してそう呟いたのは志琉だった。 皺くちゃになったシャツを背中に敷きながら寝転ぶ彼の白磁の肌には、ステンドグラスから射す七色の光が歪な模様を描いている。 先程の言葉は己に向けられたのではない、ましてや彼自身でも。 神の前で、と続けられた言葉に梓は唇の端を上げて笑みを零す。 「信じてもいないくせに」 「まあな」 悪びれもせず言い切って、会話はぱたりとそこで打ち切られた。 貪る様なキスはいつも通り、不埒な僕達を神は罰するだろうか? 否、神はただ見ているだけ。 結局、自分では何も出来やしない無力な存在でしかないのだ。 「邪魔だな…」 そう言って梓の眼鏡のつるを歯で挟んだ志琉は、そのままそれを乱暴に引き抜き床に放り投げた。 カシャン、と軽い音を立てて床に落ちたそれはそのまま勢いやまずに床の上を滑って、間もなく長椅子の下に隠れて見えなくなる。 「うーん、これだと君の顔がよく見えないんだけどなあ、」 「見る必要なんか無いだろ?」 「大いにある」 ぐ、と何の前触れもなく突き入れられた雄に志琉の背がしなる。 まるで読書でもしているかの様な涼やかな顔をして、梓は汗一つ掻かずに志琉を追い詰めていく。 「ほら、今の君の表情」 「あ、ん…ッ…あ、ああ…!」 「よく見えないのが惜しい」 玉の汗が浮いた志琉の肌を指で辿りながら、梓は恍惚として夢見るような口調で綺麗だと呟いた。 「あ、あ、あず、さ……ッ」 梓の身体を引き寄せるように、志琉は梓の背中に腕を伸ばした。 手の平を後頭部に回して髪の間に指を差し入れれば、そこに籠もった熱に志琉は口の端を上げる。 ギリギリで焦点が合う、そんな距離まで顔を接近させてから、志琉は梓の榛色の目を覗き込んだ。 「ほら、これなら…ぁッ…よく見えるだろ…?」 君を愛したことが僕の罪ならば、君の存在が僕の罰なのだろう。 乱れた息を零す彼の肩越しに、十字架が僕達を見つめている。 僕らはそれに中指を立てて、神様の背中をせーので蹴り飛ばす。 「好きだよ、志琉」 「は…ッ当然、だろ…?」 どこまでも堕ちて 地の底でまた 抱きしめ合おう
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