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「ほら、レン。ちゃんと、全部舐めて?」 「ん…は、む…っ」 言われるや否や、ぐっと生クリームにまみれた指、三本を咥内に無理に押し込まれ、甘い香りと共に呼吸が苦しくなる。 顔を真っ赤に染め上げながらも、苦しげに忠実に晴明の指をなぶる蓮は、いやらしく瞳を濡らし、とても晴明に扇情感を与えた。 「レン、美味しい?嗚呼、レンはチョコレート派だったっけ?俺としたことが、とんだミスだったね?」 「ん、く…ぷぁっ!」 言われ、ようやく指が引き抜かれる。 満足げに目を細める晴明を、蓮が反抗的に睨んだ。 「ふふ、その反抗的な目、たまらないなぁ…」 「は…っ、死ね、ヘンタイ…ッ」 「ふ…」 罵倒する蓮が可愛い。例え暴言であろうとも、晴明は快楽に変えてしまう。背筋が、ぞくぞくする。レンの唾液に濡れた指をひと舐めすると、ボールの中にまだ棉飴のように膨らんでいる生クリームを掬い取った。 それを、蓮の両胸の果実に塗りつける。 「ぁ…は、ゃ、んん…っ」 「いやらしいね。白い生クリームに、赤い果実が良く映えるよ、レン。……レン、口と指、どっちで弄ってほしい?」 「っ…誰が……っ」 「レンが。レン、乳首大好きでしょ?言ってくれれば、好きなだけ弄ってあげるよ?」 「ぁっ…!ん、くんっ…」 言いながら、れろっと滑る舌で果実を舐めてやると、蓮が悩ましげに眉を潜めた。 本当は、出てくる答えなどわかっている。だが、それをわざわざ言わせるのもまた晴明は好きだった。 恥ずかしがる蓮の顔は、本当にいやらしくて。下半身が持つかすらも危ういほどだ。 Yシャツからチラチラと見え隠れする其れも、存在を強調するかのように立ち上がり、蜜を垂れ流している。 焦れったさと快楽に、内腿を擦り合わせる蓮に、晴明が再三度問う。 「どっち、レン?お兄ちゃんに、教えて…?」 「ふ、ぁ…っ、く、…ち…っ」 蚊の鳴くような声で、蓮はねだった。だが、これだけでは許さない。自分は“ヘンタイ”なのだから。 企みに口端を歪めながら、晴明は右胸の突起を口に含んだ。 「ふ、ぁ、あっ!あ…う…ん、ぁ…?」 だが、そこで蓮は訝しげに眉を潜めた。 いつものように、強い刺激が来ないのだ。 今の晴明は、まるで焦らすかのように、突起をなぞるだけで、刺激が来ない。 不満げに思う自分を浅ましく思う。だが、足りない。こんな刺激は、全然足りないのだ。 「ん…あ、せ、めい…っ、もっと…っ」 「もっと、何?俺に、どうしてほしい?ちゃんと、言ってごらん?」 「っ……う」 わざとだ。蓮は諭した。 晴明は、自分を辱しめるためにわざと手を抜いているのだと。否、正確には焦らしている、といった方がいいかもしれない。 恨めしげに晴明を睨むが、晴明はわざとらしく小首を傾げ、わからないな、と言った。 どうやら意地でも蓮にねだらせるようだ。 蓮は内心でヘンタイ、と罵倒するが、快楽には抗えない。 羞恥に唇を噛み締め、蓮は呟くようにねだる。 「…っん…、もっと、激しく…、いじ、て…っ」 「弄るの?どうやって?」 「…っ、ころ、がして…」 「転がす、ね。蓮は押し潰されながら擦られるの、好きだもんね?でも、もうひとつあるよね?転がすだけで、いいの?」 「っ…う、強く、吸って…っ…」 「ふ、淫乱」 「あ、ぁん!」 嫌みと共に、先程とは比べ物にならないほどに激しく吸われ、脳天にまで快楽が貫いた。 そのまま舌で弾かれ、潰され転がされ、キツく吸われる。 蓮の望んだ以上の快楽に、蜜を垂れながす其れがひくひくと震えた。 「ふ、あ、ぁん!ゃ、せ、はげし…ッ、あ、ぁっ」 「ふ、レン、気持ち良い?声、いつも以上に抑えられてないよ?左も、退屈そうに尖ってる」 「ん、ぁああっ!」 コリコリと何の刺激も与えられていなかった左の突起を指で転がされ、吐精感に苦しんだ。 無意識のうちに晴明の腿に、限界の其れを擦り付けてしまうと、晴明が笑った。 「レンは欲張りだね?こんなに乳首を可愛がってあげてるのに、ここにも刺激が欲しいの?」 「あッ、ゃ、あっ、せ、めぇ…っ」 ねだるような甘い声が、自分のものだと認めたくはなかった。だが、蓮の意思に反して、媚びるような喘ぎは止められなかった。 「せいめ…せいめえ…っ」 「そんなに俺を甘く呼んで、俺を煽るのが上手になったね?。イキたい、レン?なら、ちゃんと俺に、おねだりして?レンの言葉で、俺を上手に煽って?」 「ん……っ、イキたい、イカせて…ッ」 「誰に、イカせてほしいの?」 「ん…ぅ、お、にーちゃ…っ」 「…ふ、お兄ちゃんなんて。俺、マニアックじゃないんだけど、ね。まあでも、嫌いじゃないよ…」 下半身が一気に熱を持ったのは、晴明自信が一番知っている。本気で変態かもしれないと思いつつも、晴明は悦に震える其れを上下にじごき上げる。 生クリームが熱い其れに溶かされ、滑りを良くしていく。 「ぁ、あ、っあ、ふ、ぁあっ」 「嗚呼、こっちを忘れてたね」 「ひ、ぁあっん!」 思い出したかのように胸の突起も刺激され、蓮は何がなんだかわけがわからなくなった。 熱く蕩ける体を翻弄され、意識もかなり薄れる。だが押し上げる快楽の波が、意識を突かんで放さない。 ラストスパートをかけ、敏感な先端をグリグリと強く刺激され、突起に一気に吸い付かれると、脳天を貫いた快楽に、蓮は体を痙攣させ果てた。 「ぁ、あ、っあ、ふ、ぁあっ、は、ふ…っ」 「たくさん出たね?じゃあ、今度は俺を、気持ち良くしてもらおうかな?」 「ふ、ぇ…?」 イッたばかりで脱力している蓮ににっこりと晴明は笑いかけると、生クリームを手で掬った。そしてそれを自分の怒気したモノに隈無く塗りつけ、既に理性の欠片もない蓮の唇をつついた。 「ほら、俺も、気持ち良くして?」 「……は、あ、む…っ」 力の抜けた唇も、歯列も強引に割って、晴明の其れが蓮の咥内を犯す。 雄の臭いと、生クリームの甘味がミスマッチして、吐き気が込み上げてくる。 焼けそうなくらいに熱い其れに唇を火傷しそうだ。 くわえ込んだものの、蓮の口には大きすぎる其れを上手く愛撫できず、戸惑っていると晴明に頭を撫でられた。 「レン、全部入れなくて良いから。まずは、舌で裏筋を舐めて?」 「ん…む…んんっ」 言われた通りに裏筋に舌を這わせると、其れはまた大きくなる。 さらに苦しくなり、えずいたが、蓮は早く終わらせたくて先端を吸ってみる。 「ん…っ、そう、その調子で…」 「ふ、んん…っ」 受けがよかったことにホッとしつつも、蓮は愛撫を続ける。 先端を集中的に攻めながら裏筋に舌を這わせ、くわえきれないところは指で擦った。 ますます大きくなる其れに、窒息しそうだった。 「はっ、レン、上手になってきた。イクから、全部受け止めてね…?」 「ふ…?…んんっ!?」 言われたと思えば、いきなり頭を固定される。抵抗する間もなく咥内に吐き出される欲望。 苦味のある其れを、蓮は咳き込みながらも燕下した。喉に絡み付いて気持ちが悪かった。 「は…、レン…、おいで?」 「……あっ」 力の抜けた状態で腕を引かれて、蓮はそのまま晴明の腕の中に倒れ込んだ。 互いに息が上がっていて、鼓動が早い。 生クリームにまみれているせいか、ベタベタしていて、花を甘い香りがつく。だが逆に其れがリラックス効果を招いた。射精後の男性特有の性癖で、蓮の瞼が重くなり、ついには意識を手放した。 静かに寝息を立てる蓮を、晴明は愛しい眼差しで見つめる。 温もりは変わらないのに、自分達の関係は随分に歪んでしまった。否、自分が歪めてしまったのだが。 隣で静かに寝息を立てる蓮をきゅっと抱きしめると、晴明もまた目を閉じた。 変わらない蓮の匂い。性格も行動も人間性も、昔のまま。可愛くて、可愛くて仕方がないのに、純粋には愛してやれない。その現実が心底残念だ。 「レン、愛してるよ、愛してる、誰よりも…」 呟きは、沈黙に消えていく。蓮の寝息だけが、晴明を癒していた───。 end
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