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――2月3日は節分である。 鰯に柊(ひいらぎ)を刺し戸口に挟んで、炒り豆をまいて鬼を払うという習慣らしい。 しかし御堂家では、特にそういった行事は無く、せいぜい歳の数だけ豆を食べる。といったことくらいである。 「……で。なんだ、この豆の山は」 御堂家のキッチンで、様々な豆がどっさりと積まれた光景を見ながら、御堂 雪夜は呆気に取られていた。 「――貰った? いろんな人に」 鍛えられた逞しい体躯と精悍な容貌の兄――雪夜に、何故か疑問形で弟の安月は答えた。繊細な顔立ちに浮かぶ邪気の無い表情を、兄は見下ろした。 「しかし……なぜ、大豆や花豆まで――」 「少し、柊のところに持って行こうか? 調理しないと食べられないのもあるし」 そう云いながら豆の入った袋をいくつか選び、脇に置いた安月に雪夜は。 「俺が持って行く」 と、珍しいことを買って出た。本人は口にしないが、雪夜は、友達の柊が苦手なんだと安月は思っていた。 「いいよ。どうせ逢うついでがあるから」 「……あいつに逢うのか?」 雪夜の背後から、急にブリザード――のような風が吹いた。ただならぬ雰囲気に、亜麻色の前髪を揺らした安月の背中が戦慄く。 「べ、別に……借りてた物を返すだけだから……その、そんなに雪夜が柊に逢いたいなら――」 背にした食卓に挟まれ、安月は雪夜の身体でサンドウィッチにされた。 「雪夜? どうした――」 「誤解するな。逢いたいわけないだろう」 やっぱり、と思った安月に、雪夜は軽くキスをしてくる。 「もしかして、またヤキモチ? 柊とはそんなんじゃないって云っ……」 今度は少し長めのキスだった。 「何度も云わせるな。あいつがどう思っているか、お前はわかっていないだろう」 「そんなこと云っても……柊とは友達だし、ボクにはそんな気ないんだから」 雪夜がフッと息を漏らした。 「それであいつが納得するならな……お前は――」 雪夜は最後まで言葉にせず、安月の薔薇色の唇から、蜜を舐めるようにキスを奪った。 (もしかして、柊はまだボクを……?) 雪夜の唇に翻弄されながら、頭の隅で安月の気持ちは揺れた。 長い間、雪夜の次に自分をわかってくれる友人として傍にいた彼だが、出会った頃は確かに自分を欲しいと云われたこともあった。 しかしそれはもう終わったのだと、安月が勝手に思い込んでいただけなのか? 「……っ……」 雪夜の筋張った腕に食卓へ乗せられ、下肢を割って下腹部を押し付けられる。そのままシャツのボタンが丁寧に外された。 「せ、雪……ここで?」 慌てる安月に、雪夜は構わず唇を塞ぐ。厚みのある舌が、ヌルと侵入した。 「ん……」 いつもより強引に舌を絡められ、安月の中に急な熱が沸き上がる。 このところ、ほとんど毎日雪夜に求められてはそれに応えてきた安月。身体は既に、兄の思うがままに反応するようになった。 去年の12月、指輪を贈られた安月には、全てを受け入れる覚悟が出来ていた。雪夜の望むことなら、何でも出来ると思っていたのだが――。 「雪夜……ま、待って」 息も絶え絶えに、安月は雪夜の目を覗き見た。その頬を両手で包み込む。 「……嫌か?」 言葉とは裏腹に、雪夜の瞳には有無を云わせない、濃い色が漂っている。安月は首を振った。 「嫌なわけない……でも。雪夜は柊のことそんなに、嫌いなの?」 雪夜は黙って安月の顔を見つめる。そんなふうに訊かれることを、予測していなかったのかも知れない。 「……お前に手を出す奴なら、誰だって嫌いだ」 雪夜が他人をあからさまに嫌いだと云ったのははじめてで、安月は身体中の細胞が沸き立つ感覚を覚えた。 それが、なんと表現すべき感情かは、まるでわからなかったが。 安月は戸惑うような笑みを浮かべ、雪夜にキスをした。 「じゃあ、雪夜は自分のことも嫌いなの?」 安月の冗談に、雪夜はニヒルな笑みで答えた。 「死ぬほど、嫌いだな――」 食卓が軋む音がした。 男二人の体重を支えるには、些か心許ない造りなので当然か。 雪夜は仰向けに寝かせた安月の上から、指輪をしている方の指で白い肌をゆっくりとなぞった。 首から胸へ感じたそれに、安月は小さく震える。背筋はそれ以上に粟立った。 「お前がもし……俺以外の人間を選んだら」 「雪夜、そんなこと――」 云いかけた安月の唇に、雪夜の右手が重なる。 「俺は、お前を殺すかも知れない……それが嫌なら、俺を殺せ」 激しいまでの意思表示に、安月はクラクラとして目を細めた。 もしかしたら、以前ずっと安月が抱えてきた不安を、今は雪夜が抱えているのだろうか? もしそうなら、安月はその不安を取り除いてやりたかった。 「雪夜……雪夜になら、殺されてもいい。だけど、ボクが雪夜以外の誰かを選ぶことなんて……死んでもないから。それだけは信じてよ」 雪夜の首に腕をかけて、安月は唇を引き寄せた。甘く痺れる感覚が、そこから足の先まで波紋を広げる。 「ちゅ……はぁ、っあ……」 舌の輪郭を撫でながら、下から掬い上げては強く吸われる。安月は強すぎる快感に、口を閉じることも出来なかった。 「ぁっ……っ……ん。雪夜」 兄の唇で、安月の胸は紅く花を咲かせていた。あちこちに吸われて出来たキスマークが、雪肌に数え切れない程散らばっている。 今は、その左右に二つある小さな蕾に、執拗な愛撫が繰り返されていた。 そこは何度もいたぶられ、どちらもプックリと固く盛り上がっている。 熟して紅く腫れたそれに、吐息がかかるだけで、安月の背中は反り上がった。 「ンンッ……ひぅ……ふ、ぁっ」 小さな蕾から伝播する快感に、安月は漏れ出る声を堪えて指を噛んだ。 こんな場所ですることに、少なからず理性が抵抗を示していた。 けれど羞恥心が、それを凌駕する快感を安月に与えてくる。既に下半身は恐ろしい程出来上がっていた。 「雪……夜っ……はぁっ」 必死で名を口にするが、そうすれば、恥ずかしい声も漏れてしまう。なんとか顔を向け、指をくわえたまま雪夜にどうにかして欲しいと懇願する。 「安月……どうして声を我慢するんだ?」 (が、我慢なんて……) 安月のイヤイヤと首を振る仕種は、雪夜の加虐心を煽り立てた。 「まだ、足りないのか……もっと欲しいんだな? お前は、なんて嫌らしい子だ」 「……っ!」 思い切り雪夜に乳首を吸い上げられ、安月は悶絶した。 それは一瞬だった。 胸にあるただの飾りが、こんなにも強い刺激を生み出すことははじめてで、安月はしどけなく食卓に横たわった。 下からはベルトを外す音が聴こえ、ファスナーが開くと同時にブリーフごと膝裏までずらされてしまう。 まだ少し力の抜けた上半身を起こそうとした安月は、雪夜に膝を掬われまた横たわっていた。 足を折って横に両足を揃えられると、臀部が丸見えで雪夜に恥ずかしい部分を覗かれてしまう。 「あ、やっ……何?」 「じっとしていろ」 安月は云われるままに、顔を熱くして堪えていると、秘孔に濡れた何かが押し付けられた。 「ひぁ……っ、せ、雪夜?」 なんとそこに、雪夜がねっとりと舌を這わせてきた。いきなりのことに、安月はなす術無く身体を硬直させる。 「あ……あ……あっ……」 「安月、力を抜いていろ……これじゃ入らない」 (入らない。入らない? 何が――) 動転して、身体中の毛穴から汗が吹き出た。こんな場所を舐められることも、安月ははじめてだったのだ。 「雪夜……そんなとこ……やだ。汚いよ――」 小動物のように震える安月の耳元で、雪夜が吐息と共に囁いた。 「お前の身体は、どこも綺麗だ……心配するな。すぐによくなる」 「ふ、あっ……雪……っ」 ジャラ、という音の直後に、安月の中へ何かが押し込まれた。 ごろごろとした固い感触が、つぷり、つぷりと押し込められ、いったい何が起きたのかわからず、安月は目を白黒させた。 「何? 何を入れたの、雪夜」 「お前が貰ってきた物だ……どうだ。感じるか?」 雪夜は云いながら、自分の指で中に入った物を掻き回した。 「うぁ……あ、あっ、やぁ……雪――」 固い物が暴れ回り、違和感と排出感に合わせ、奇妙な程せき立てられるものを感じた。 快感とは云い難く、しかし何とも云えずもどかしいそれは、癖になりそうに強烈だった。 次第に甘い痺れさえ伴い、安月のそこはヒクヒクと痙攣した。 「あぁぁ……雪夜、とって……この固い物……何なの?」 思考するのもままならなくなっていた彼は、それが何なのか予測さえできずに、腰をくねらせ食卓にしがみついた。 「ああん……だめ……だ。そんな、ふうにしたら……あっ」 雪夜の太い指が、容赦ない動きで安月を攻める。中に入れられた物も縦横無尽に襞を跳ね回るのが堪らない、 安月は無意識のうちに、ねだるように腰を動かしていた。 「本当に嫌らしい子だ、安月。指だけで……いや、指と豆でこんなに感じて、俺のはもういらないか?」 安月はぼんやりと顔を上げた。 「……ま……め?」 「そうだ。こんなに貰ったんだ。あの坊やにやるよりこうした方が、よほどいい」 「雪……夜」 まさかそこまで柊が嫌だったのかと、安月は複雑な気持ちでうなだれた。 しかし熱くなった身体はちっとも冷めてこない。安月は段々全てがどうでもよくなってきた。 「も、雪夜お願い……雪夜の×××で……中をめちゃくちゃに掻き回して――」 安月の科白に、雪夜は僅かに驚いてみせたが、すぐに不敵な微笑みを浮かべた。 「安月。お前は……どうしてそんなにかわいい?」 指を引き抜き、安月の両足に引っ掛かっていたズボンと下着を取り去ると、股を広げさせた。ヒクついた秘部に、取り出した自身をあてがい何度か擦りつける。 「あぁ……早く……」 安月の声に、堪らずそれを突き入れた。グチュと濡れた音がして、雪夜のその先に固い感触が当たる。いつもと違う快感に、背筋を震わせた。 安月もそれを感じて声を漏らす。 「お、奥に……当たって……ぁあっ、な、何か」 モジモジして閉じようとした足を、雪夜に掴まれる。そのまま二の腕に引っ掛けて、腰を引き寄せられた。 雪夜が身体を少し前に倒すと、持ち上がって浮いた安月のそこに×××がすっかり収まった。 「動くぞ」 云い終らぬうちに、雪夜が緩慢に動きはじめる。 安月の中で転がる玉が、雪夜のそこにもころころとぶつかって、云い知れない快感を煽った。 「ふぁ……あ……あっ、や……気持ち……イイ」 あまりにも衝撃的過ぎて、安月は恥ずかしげもなく悶え呻く。羞恥心も何処かに吹き飛んでいた。 「あつ……きっ!」 雪夜の腰のリズムが激しくなり、ギシギシと食卓の壊れそうな音がキッチンに鳴り響く。その不安定さが、余計に卑猥な印象を与えた。 安月は揺れる身体を支えようとするが、足は天井にピンと伸びて云うことを聞かない。なんとか両手を雪夜側の縁に引っ掛け固定した。 「あっあっああっ……ふぁっん!」 一度も触れられていない安月の×××が、涎をたらしながらメトロノームのように揺れる。それが限界とばかりに痙攣し、ふぐりは収縮した。 「ぁあっ、イ、イク……もっ……だ、めっ!」 安月の腹に、白濁した飛沫が散った瞬間、雪夜も同時に達した。 「安月……」 弟の頬にかかる髪を、雪夜の指がソロとよける。二人の胸はまだ、激しく上下していた。 「……ぅン」 安月から雪夜が引き抜かれ、小さな玉の落ちる乾いた音がした。 まだ甘く疼く身体を抱き起こされ、安月は艶めいた目で雪夜を見つめた。 「ねぇ……雪夜。ボクは雪夜を信じてるよ。どんなことをしても、雪夜はボクを裏切らないって――ボクのことは……信じてくれてる?」 伸ばした手を、雪夜は慈しむように握り締めた。 「……当たり前だ。俺にはお前しかいない。安月……お前を信じている」 その指に、唇を寄せて雪夜は目を閉じた。 安月の胸がキュンと鳴る。何をされても――どんな横暴も、例え嫉妬に狂って傷つけられても、愛されてると知っているから。 (永遠に……ボクは雪夜だけを――) 「愛してる」 Fin
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