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キスは煙草の味。 舌先で撫でるように唇をなぞる。 柔らかく唇に歯を立て悪戯する相手を咎める様にぎゅっと眉を寄せた。 「長い、約束と違うだろ…っ!」 漸く長いキスから解放された俺はむっとした表現を隠す事無く顔を上げ、にっこりと人の良さそうな笑みを浮かべる相手に悪態をつく。 「しょうがないだろ?烈とのキス好きなんだから」 そう言ってまた俺の唇を掠め取って行く相手になす術無く、離れて行く顔を見送った。 「……エロ魔神…」 「知ってる、ちゃんと自覚あるよ?」 俺のつく悪態なんか物ともせず静は余裕そうににっこり笑う。 俺だってさ、別にキスが嫌いな訳じゃない。 むしろ静とのキスは大好きだ。 でもさ、でもな? エロいんだわ、静のキス。 優しく触れる舌が。 キスの時に髪に触れる手が。 俺を見詰める目が。 鼻を掠める煙草の匂いが。 パプロフの犬のように、それらを感じるとどうしようもなく欲しくなる。 もっと、って。 「烈は本当に俺に甘いよね。俺だよ…?烈の弱い所なんて知り尽くしてる」 楽しげに目を細める相手を見上げる。 ずっと俺を見ててくれた静。 いつも傍に、俺の全てを受け入れてくれた静。 でもな、今の発言は頂けない。 俺はジッと見詰めると腕を伸ばして静の眼鏡を取った。 「でもな…」 くすくすと笑いながら眼鏡のツルを唇に寄せ小さく言葉を紡ぐ。 静が俺を見てきたように、俺も静を見て来たんだ。 いつも傍で、全てを受け入れて。 「それは逆も然り…なんだわ…」 俺は知ってる。 静も俺に甘い事を。 シャツを掴んでグッと自分へ引っ張る。 突然の事で静は引かれるまま前のめりになりながら近付いて来た。 目の前に晒される首筋に、俺は躊躇う事無く噛み付いて歯を立てる。 歯が柔らかく食い込む感触。 その途端、グッと身体を押されて引き離された。 目の前には噛まれた首筋を大きな手で覆い隠しながら、微かに頬を紅潮さそる静の顔。 さっきの余裕そうな表情なんて見る影も無し。 「敏感、さん」 ケラケラと笑いながらそんな静を見る。 俺を舐めるなよ? 負けず嫌いも知ってるだろ? そして俺は満足そうに微笑むのであった。 -end-
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