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街路灯で鋭利な氷柱が蛍光している 腐乱した丑三つ時 城跡のある公園からは 夜桜の舞い 花弁は 静まった飲み屋街の 甃の上に落とされて 力なく横たわる その湿った花弁に 私は緩やかに落ちてゆく 並列して氷柱が砕け散る どこからか列車の音がして ふと踏み切りで歩みを止めれば 両脇には深海域に続く闇 闇 視認できない何者かに脅える 視認できない私の虚ろな影が 水の音とともに 意識を失ってゆく どこにいてもどこかにはいる 逆に どこにいなくてもどこにもいない 明確なのは居るか居ないかの境でしかない あらゆる存在に存在が潜み その存在を奪おうとしていることを 消え行く者だけが知っていた 雷音、 灰色の雲を這う 稲光、 竜は雲を雲足らしめる 血管でしかなかったように 畦道には泥と雑草 踏みしめる音で ようやくそれらが主張を成り立たせる 田園の稲のにおい 掠れた音から湧き出す 落ちたはずの夕暮れ 蛙の発情する喉が鳴り響き 囲む森林の花粉、 黄金色した硝子が、 種付けのために 三日月に立ち上っていく 私は間違っていたのか? 私は正しかったのか? 問いだけが 朝焼けの地平線に 照り出された町並みへと取り残されて 私は 多くの知るはずだった 物語を置いてきたのだ 今となっては何も正しくない 今となっては何も間違ってない 平凡で急勾配な 水晶体 その偶像の中で、 映像だけが 浮かんできては 情景を優雅に 咲かし続けている
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