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未練
R指定:---
キーワード:キーワード:叶わぬ恋 元彼 切ない 語り
あらすじ:あらすじ:「どないしたら、忘れられんねやろ」元彼からの突然の電話……。
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携帯が明かりを燈し、振動とともに着信を知らせる。
ディスプレイには、見慣れた名前が浮かび上がる。
――「やり直そう」やなんて、そないに簡単に口にせんとって。
あん時の彼女とだって、まだ別れてないんやろ?
オレの分まで、大事にしたんなよ。
何度も何度も机を揺らす携帯に痺れを切らし、通話ボタンを押してしまったことを後悔せずにはいられない。
――お願いやから、そんな悲しそうな声出さんとって。
やっとの思いで決心したのに、また心が揺らぐやんか。
一刻も早く別れを告げなければ、またドツボにはまりそうだと、頭が警報を鳴らす。
――「やっぱりお前が1番」やなんて、そんな言葉でごまかさんとって。
ようけおる中での1番なんて、何も嬉しくない。
何も意味ない。
少しでも気を緩めると、とっくに忘れたはずの感情が、波をうって蘇ってしまう。
今度こそ今度こそって、願いかけて戻ったって、結局いつも同じやんか。
一人で眠るベッドにだって、一人で食べる朝食にだって、やっと慣れたとこやのに。
それやのに。
それやのに、何で全部台なしにしてまうん?
忘れようて必死やのに。
今更連絡してくるやなんて、ずるいやん。
手離したんは、自分やのに。
お願いやから、もう忘れさして。
オレのこと縛りつけんとって。
全部を断ち切ることができず、突き放すこともできない。
そんな自分が、歯痒くて仕方がない。
どないしたら、次に進めるんやろ。
――もう、忘れたいのに。
****
Fin.
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2007/03/16
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