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 《そして俺は思い出す》
© まゆき 
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 R指定:無し
 キーワード:ホスト系チャラ男×ツンデレ 同級生
 あらすじ:いつもバカみたいに明るい太陽(攻)と素直になれない倫紀(受)の微妙にHでちょっと切ない日常。
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タバコの煙を空に向けて吐き出す、俺より少し広い背中を気付かれない様に目の端だけで捉える。

伸び掛けのグレーの髪をルーズに立ち上げたそれは、夕べの情事の後のシャンプーの香りと、タバコの匂いがするんだ。

そんできっと、あと10秒以内に振り返って、目の前のホスト系チャラ男はこう言う。

と〜もぉ〜きぃ〜くん、俺に見惚れちゃったぁ?

突き抜けた明るい声、バカみたいに眩しい笑顔で。

で、俺は百万回は思った疑問をまた呟く。

……なんでこんなバカに惚れたんだろ?って。

1…2…3…4…

バカは5秒を数えるちょっと手前で、予想通り俺を振り返った。


「……倫紀」


だけどホストもどきの高校生は、バカみたいな眩しい顔じゃなく、どっか苦しそうな目をして俺の名を呼んだ。


「……良かった。おまえ何も言わないから、柄にもなく不安になったじゃん」
「不安?」
「振り返っておまえがいなかったら、ってさ」


バッカじゃねぇ。
そう返した俺の声も、若干震え気味。


「倫紀……せっかく見付けたんだから、絶対消えるなよ」


ああ……おまえが変な事言うから、思い出したじゃん。

太陽って名の通り、いつもキラッキラに眩しいおまえの顔が、不意に陰る事を俺は知ってる。

寂しそうに孤独で、見ている俺も切なくなる瞬間。

……倫紀愛してる。
絞り出す様におまえは吐き出すんだ。

だから俺はおまえを好きになった。

そしてきっと、それは間違いじゃない―――


-END-
サイトには一話完結でこの2人のシリーズがたくさんあります。







2007/03/28
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