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 籠の中の小動物
© 衢佑 
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 キーワード:年の差…?ストーリー重視。
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近所の子は、あの人のことをひどく恐がる。
それが僕には理解出来ない。

あんなに優しいのに
あんなに真直ぐなのに

どうして解らないのだろう。

「…おい」
「はい」
「なんで俺の後に付いてくるんだ」
「駄目ですか」
「…………いや」

好きにしろ、と冷たく言った後、こちらの様子を伺うようにちらりと鋭い目が動く。
僕がにこにこしてるのを確認すると、またすたすたと歩きだすのだ。
歩幅が狭くなったのは、きっと気のせいではないだろう。

どうして気が付かないの?
どうして逃げ出すの?

この人はこんなにも暖かいのに。

「おい」
「はい」
「…変な奴」

小さく微笑んだあの人は、大きな腕で僕の身体を持ち上げた。

「やっぱ小動物だ」

軽がると抱えられ、高くなる目線に心が跳ねる。
あの人の顔が近かったせいかもしれない。

反則だ、と思った

****

抱えた生き物は、いっちょ前に睨み付けてくる。
子供扱いされたのが悔しいのだろう。
とてもプライドの高い生き物だから。

出来ることなら

全てを包み込んでしまいたかった。
この感情が何かときかれたら、淋しさだと言えばいいだろうか。
虚しさでも間違いじゃない。

手を伸ばしたのはこいつの方だ

伸ばされたのは俺の手じゃない。
こいつが手を伸ばしてきたから、俺はそれを掴んだまで。

依存したのは俺の方
のめり込んだのも俺の方

伸ばされた手を掴んで引き寄せて掻き抱いて。
全部受けとめてくれるんじゃないかと期待する。

こんなん、反則だ

人から幸せを奪う奴が青い鳥を捕まえてしまったのだから。












2007/05/12
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