返信する

 俺だけの兄貴
© ソラコ 
作者のサイト 
 R指定:無し
 キーワード:近親相姦/年の差/ほのぼの/甘々
 あらすじ:隼人兄は今も昔もこれからも、ずっと俺だけの兄貴。
▼一番下へ飛ぶ



「お、お帰りー」
「ただいまヒロ。うわ、きったねーなこの辺、片付けろよっ」




既に成人して5年、立派に社会人してる兄貴との二人暮らし。
離婚して、女手ひとつで育ててくれた母親が2年前に死んでから。
未だ高校生の俺がバイトで稼げる金なんてたかがしれてるから、生計はほぼ兄貴で賄っているようなものだ。

小さなアパートで、二人っきりの生活。




「仕方無ぇだろっ、俺だってさっき帰って来たんだよ。今からやるつもりだったの」
「あぁそう。さっさと片付けろ?風呂は入ったのか?」
「……まだ」











俺達兄弟は、他の兄弟とは少し違う。











「そうか。……一緒に入る?」
「ばっ…!入らねぇよ馬鹿っ」
「はあ?何、お前今更照れてんの?」
「だって絶対、一緒に入るだけじゃ済まねぇだろ……」
「当たり前だろ?」





俯く俺の頭を、ポンポンと優しく叩いてキスをする。







こういう関係。





俺達だけの、秘密。




いつからだろう、身体を重ねる関係になったのは。



昔から兄貴が好きだった、大人っぽくて格好良い隼人兄に憧れてた。
ガキの頃は俺ももっと素直で、そういえば何度も兄貴に「好き」という言葉やハグを捧げていたような。
いつも兄貴はそれに応えるように、俺にキスをしてくれた。

それが自然だと思っていたが、どうやら俺達は特異だったみたいで。
けど気付いた時にはもう遅かった。
俺にとって、兄貴は既に“俺だけの”兄貴になっていたのだ。






「…兄貴……」
「なに?」
「スーツ汗臭ぇ」


キスによって距離が近付いた兄貴の身体にしがみつき、顔を埋める。
汗に混じる兄貴の匂い。
あったかくて愛おしい。



「うっ、仕方無いだろー。今日は外回りでクソ暑かったんだよ」
「さっさと風呂入って来い」
「お前もまだなら一緒に来いって、背中流してやるよ」
「……っ仕方無ぇな、手ェ出したらぶっ飛ばすからな」



無理矢理後ろを向かせて、俺は剥ぐように乱暴にスーツを脱がせる。
床に放り投げると同時に、俺の足は外部からの力によってふわりと浮いた。


目の前には兄貴の横顔。
背中と膝裏を支える、兄貴の手。

気付けばお姫様抱っこ。




「なっ……!何してんだよ、下ろせこのクソ兄貴っ!」
「“隼人兄”って呼べよー。エッチの時しか呼んでくんねぇのな」
「うっせ…!エロオヤジが!」
「あーヒロ君可愛くねえー」





不貞腐れた声で呟きながら、とうとう強制連行。
また今日も、俺が折れるしかないのだ。












なあ、俺達血の繋がった兄弟だけどさ。







隼人兄の事、一生愛してもいい?

俺、大事にするし。








言ったら兄貴の性格からして、
「馬鹿。大事にすんのは俺の方」
なんて言われそうだ。


ま、一生言ってやんねぇけど。









END.







2007/06/10
▲ 始めに戻る

作者のサイト
編集

 B A C K 



[掲示板ナビ]
☆無料で作成☆
[HP|ブログ|掲示板]
[簡単着せ替えHP]