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 Cherry Blossom〜Pink Charm〜
© 豆生田 遥貴 
作者のサイト 
 R指定:有り
 キーワード:18禁 恋人同士 花見
 あらすじ:本サイトのメインCPの弘毅×凛です。
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Cherry Blossom
〜Pink Charm〜

 手の平に一枚の花弁が舞い落ちて、見上げてみると薄桃色の桜が風に吹かれて月灯りの空に舞い上がっていた。
その光景はとても幻想的で、そこが東京であることを忘れさせる程であった。

 老齢の、それでいて美しい花を咲かせる一本の大樹の前に、浴衣のような白い着物を雑に着込んだ凛が立ち、ひらひらと舞い落ちる桜の花を見上げていた。

 もしかしたら、このまま消えてしまうかもしれない。

「凛?」

 風に吹き上げられる桜と共に消えてしまいそうな、そんな儚げな凛の姿に弘毅は思わず声を掛けた。

「なぁに?」

ゆっくりと首を傾げて凛は弘毅のいる方を向いた。

「いや、別に」

「桜、綺麗だね。俺、こんなに綺麗な桜見たことない」

「まぁここは隠れた名スポットだからな」

「……っていうか、俺、こんなにゆっくり間近で桜見たの初めてかもしれない」

「そうなのか?」

「うん。あぁ……本当に綺麗。桜って、ほんのちょっとの期間しか咲かないから魅力的なのかな?」

「さぁ……」

 弘毅は適当に答えながら凛の元に歩み寄り、凛の華奢な身体を後ろから包み込むように抱き締めた。

「んっ、急に何?」

「いなくなるなよ」

「どうかしたの? 弘毅らしくないなぁ」

上目遣いに弘毅を見上げ、いつになく真摯な表情の弘毅に驚きながら凛は微笑してみせた。

「愛してる」

「俺もだよ」

「……」

「んッ……」

 弘毅は初めて自分に俗に言う所有欲というものが芽生えているのを感じた。誰にも渡したくない。

「苦しいよ……」

「すまない」

 力を抜くと、凛はふぅと大きく溜め息を吐いた。その溜め息で弘毅は自分がかなりの力を込めていたことに気付いた。

「ホントにどうしたの?」

「凛があまりに綺麗だったから」

「やだぁ。弘毅らしくない冗談言わないでよ」

「……」

 何も言わず、弘毅は艶やかな髪に口付けをした。
 そして顔を自らの方へ向かせ前髪を掻き上げ、額に瞼に頬骨に優しく接吻し、唇を掠めて顎の滑らかな流れに自らの唇を沿わせた。
 首筋に舌を這わすと凛は瞼をとろんとさせた。

「……っん。感じちゃう」

切なく吐息を吐きながら、凛は自らの唇を噛み締める。

「どうした?」

「あっ、ダメッ」

 唇を首筋から離し、耳元で囁くと、凛の身体はゾクゾクッと震えた。

「耳は反則だよぅ……」

「感じるか?」

 耳朶を口に含み舌で転がし、穴の周りを触れるか触れないかで嘗めると、凛は息を乱れさせた。

「感……じちゃうよぅ……!」

「ここもな」

「いやっ……ぁ」

 下着を着けていない着物から、自らをアピールさせるかのように勃起した凛のペニスに弘毅は軽く触れてやると、先程以上に身体をビクンビクンと震えさせた。

「先が濡れてる。勃ってるからよくわかるぞ」

 先走りで染みのできた部分を手のひらでグリグリ刺激すると、凛は小さく悲鳴を上げて腰を引いた。

「そんなに触って欲しいのか?」

「ぃや……」

 後ろから手を伸ばすと、軽く肌蹴て羞かしげもなく勃起したペニスが着物の隙間から顔を出した。
 凛のペニスに直に触れると、それはとても熱くいきり立っていた。

「あっ、ダメッ。もぅ、すぐにでも……イッちゃいそう……」

「早ぇよ……なんでそんなに発情してんだよ」

「耳元で喋んないでぇ……! っうぅ」

 弘毅はにやにやしながら耳元の囁きを止めずに凛のペニスを緩急をつけながら扱き、召し物としての機能を果たしていない肌蹴た着衣にまたもう片方の手を滑り込ませ、乳首を強く摘むと、凛は頬を蒸気させながら赤く染め、快感に身を任せた。

「気持ち……イイ……あっ」

 凛は薄い着物とジーンズ越しに弘毅の腰元に尻を当てがい、切なそうに腰を動かした。
 手の中で血流が増し、脈打つペニスから凛の限界を感じながら、弘毅は凛に腰を当てがわれてはじめて自らもかなり勃起していることに気付いた。

「あぁ……んッ。弘毅のがお尻に当たってぐりぐりするぅ……! 早く…欲しぃよぅ…ッ!」

「んん? 何が欲しいんだって?」

「あぁ……ッ、ダメッ……欲しいのッ……弘毅の、ペニスが……欲しい……のぉッ」

「桜の樹に見られてるぞ?」

「いやぁッ……そ、んなにしたらイッちゃ……んンァ……ッ」

 耳を弄るように嘗めながら弘毅は囁くと、凛は限界を越して弘毅の手に白濁の精を吐き出した。

「……イッたな」

「ッん……ふゥ……」

 今までよりも低い、腰に響くような声で言われ、凛は放出した快感で息を荒げながらも身体をまたゾクリと震わせた。

 弘毅は凛を桜の樹にもたれさせ、乳首を摘んでいた手を離すと、自らのジーンズのボタンを外し勃起させたペニスを顕にさせた。
 着物を捲り上げ、真っ白な月に映える双丘の狭間に冷えてしまった精液を多少の潤滑油のようにして指を挿れた。

「お前のケツの穴はユルユルだな」

「そんなことなっ……あっ!」

 難なく指を奥まで挿れられ、感じるポイントを攻められて凛はまたペニスを勃起させた。

「豚め。簡単に感じやがって」

「あ……あぁ……早く……今度こそ……弘毅……のを……んっ」

ずるりと弘毅は指を抜くと、凛のアヌスは物欲しそうにヒクついた。

「ほら、いつものように言え」

「……弘毅、さんの……ペニスを……凛の、ケツマ○コに……挿れて、グチャグチャにッ、してくださいぃ……ッ!」

グッと片手で腰を掴み、一気に弘毅のペニスは凛の体内に挿入された。

「あーーッ!」

 あまり慣らさずにペニスを挿れられ、凛の身体にピリッと電流の走るような痛みと快感が身体中に駆け巡った。
 奥まで突かれて感じる。生で挿れられるのは久しぶりだった。ゴムを介さない、肉と肉との擦れ合いが堪らない快感を呼ぶ。
 パンッパンッと腰を打ち付ける度に桜の花びらが散り、二人に降り掛かる。

「あぁ……イイッ! キモチ……イイよゥッッ!!」

 快感から野外であることを忘れた凛が大きな喘ぎ声を上げた。あまり人が来ない場所であるといっても、外であることは人に見つかるリスクがあるということなので、弘毅は少しでも声を小さくさせるために凛の口にアヌスに挿れていない指を突っ込んだ。

「ッ痛」

 凛はむごむごと言葉にならない言葉を発しながら快感に身を任せ、容赦なく弘毅の指を力を籠めて噛んだ。
 弘毅の指は一瞬物凄い痛みを感じたが、それは下半身からくる快感によってすぐに感じなくなった。
 舌を絡められ、指に感じる微かな痛みと下半身の肉の擦れはずっと味わっていたいような快感であったが、弘毅はいつも以上に早く限界が訪れた。

「凛、イクぞ……」

「うゥ……ッ!!」

 弘毅が凛の体内に精を吐き出すと、次の瞬間、直接的な刺激を与えられなかった凛もまた白濁の液体を今度は荘厳な桜の樹にかけた。




「指、大丈夫?」

 行為を終えて我に返った凛は、弘毅の指から滴っている血を見て心配そうに訊ねた。

「結構痛いな」

 最中はそこまで痛まなかった指はズキズキと痛んでいた。

「ごめんね」

 凛は弘毅の指を手に取り、愛しいものに接吻する時のように口づけると血を啜った。

「……」

 どう対応してよいのかわからないといった困惑の表情を浮かべながら、弘毅は凛の頭を撫でた。

「弘毅の血、美味しいよ」

 顔を上げて唇に付着した血を舌で嘗めずり、凛はにこっと微笑ってみせた。

「……血が美味いわけないだろ」

 その仕草の一つ一つが艶めかしく感じ、弘毅は先程までの行為よりも不純なことをしているような気持ちになり、凛を撫でていた手は宙に浮き、何かを誤魔化すように呟いた。

「弘毅の血だから、美味しい」

「……」

 凛から視線を逸らしたいと思いながらも、どうしてもその姿を目に焼き付けたくて逸らすことができない。
 心の奥底に微かな恐怖を感じながら、そんなものを吹き飛ばすような誘惑を凛に感じる。弘毅は、手放したくないという気持ちと、手の中に留まることのない魅力に取り憑かれている自分に本当の意味で気付いたのだった。


END








2007/01/17
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