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ふざけた甘さ
R指定:---
キーワード:友達以上、幼馴染み
あらすじ:2月14日 待たされたモテるダチに放課後の教室で…オマエ フザケスギ
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沈みかけた夕陽
僅かな暗がりの教室で耳に流れ込む音楽を聴き入る
ミュージックプレイヤーに込められた音楽はスローなバラード
甘く聴こえるメロディーもよく聞けばどれも失恋の歌詞ばかりだ
2月14日…
アイツは今日という特別なイベントから逃れる為に校内のどこかに隠れている事だろう
さっさと帰ればいいのに……
《一緒に帰るから待っててね〜ん♪(^^)》
なんてメールを送ってくるから、俺は教室で待つハメに
━ガサッ
机の上のカバンから今朝コンビニで買った箱を取り出す
何となく買ってみた小箱
綺麗に包まれた包装紙をビリビリと無造作に破ってみると、透明な蓋からは可愛らしい花形のチョコが姿を覗かせた
━ガラッ…
『あぁー!秋(シュウ)!チョコ貰ったの?!』
勢いよく扉を開けるなり、ニコニコと面白がって痩せ型の茶髪が近づいてきた
やっと来たか、メールの張本人
先に待たせた俺への詫びは無しなのか?
『な、誰に貰ったの?!』
前の席の椅子に跨りブシツケに聞いてくる
机には小さな紙袋が雑に放置された
『うっせーなぁ、今朝コンビニで買ったんだよ』
『え?何で!?』
両腕で背もたれを抱えながら人なつっこい笑顔が答えを待っていた
『見た目通り美味いのか確かめんのに』
そう言ってひと粒、口に放り込んでみた
『どう?』
よく見てなかったが、どうやら今流行りのカカオ倍増の代物みたいだ
『苦……で、硬…』
俺を覗き込んでいるビガの眼差しも…
『やっぱ苦いな、硬くて噛めもしない…捨てよ』
チョコの包み紙に手を延ばすと、遮るように手が重ねられた
『勿体ねぇじゃん』
━ガタンッ…
椅子の音と共に重ねられた手に力が掛かる
『貰ってやるよ』
柔らかい唇が触れてきた
気に入ってるヒガの香りが胸に染みる
小さな舌は、俺の舌に絡みながらチョコを奪っていった
『あ?意外とオイシイじゃんこの味♪』
『嘘つけ、チョコ嫌いなクセに』
クスッと笑って、楽しそうに次の新しいひと粒を俺の口に放り込んできた
『秋のチョコだけ全部貰ってやるよ』
『何考えてんだ?まだ四ツもあるぞ』
ヒガは俺の口元まで近づき目線を合わせてきた
『じゃ…あと4回、食べさせて』
『変なヤツ……』
そんなコトを言ってる俺は、大人しくヒガの唇に食わせてやる
必要以上に絡みつく舌に対応しながら視線を机に落としてみた
止めずに投げ出されたままのヘッドホンからは、最後に入れていた甘い音楽が僅かに聞きとれる
ヒガの唇みたいに…
甘い恋愛の唄が……
[END]
2008/05/02
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