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 By me
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 あらすじ:恋人をなくした「僕」の話
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ザー


激しい雨が窓を揺らした。


悲しいくらいに雨が強くて

こんな日はいつもよりずっと憂鬱で

俺は被っていた布団をさらにググッと引き寄せ、丸まった。



こんな日に限って電球の玉が一つ切れているものだから、心を重たくなる。


チカチカする電球を見ながら、溜め息を吐くように言葉を紡いだ。




「けーちゃん…」




ガランとした僕の部屋にシンと響く声。


返ってくることのない、返事。



何だかとても寂しくて、切なくて、自分の体を掻き抱いた。


「逢いたいよ、けーちゃ、…」



涙が瞳から零れ落ちる。


君は僕が思っている以上に、物事に純粋で

君は僕が思っている以上に、人に温かくて


君は僕を置いて逝った。


こんなにこんなに逢いたいのに。
逢いたい君は、もう居なくて。




僕が淋しがり屋だと君は知っていた筈だろう。


なのに何故、君は僕を置いて逝くの?




君と過ごしたこの部屋に、君の物はもうなくて。

なくなった部屋はガランとしていて。



ねぇ、
もう一度だけ

ねぇ、
5分だけでいいから


僕の隣りにいてよ。


僕に笑いかけてよ。






君がとった行動は本当に正しくて、
真っ直ぐで、

皆が拍手する事なんだろう。

でもね、でも

僕は君を許さない。




君は僕が思っている以上に、優しくて。


でも


君は僕が思っている以上に、大きな存在で。

君は僕が思っている以上に、僕を拘束するんだ。



「てっちゃ…っ、置…、て…ちゃ…や…っ」


拭いても拭いても涙が溢れてくる。


ねぇ、
もう贅沢なんて言わないから


ねぇ、
わがままはもうやめるから


だからだから、


僕の隣りに…。

ねぇ。



end..
※※※※※※※
恋人をなくした「僕」の話
恋人は飛び出した子供を助けて死んでしまったんですね
優しい恋人が好きで
でも優しすぎた恋人を許せなくて

そんな話でした。
他にも色々な作品があるので、是非サイトまで足をお運び下さい。








2009/05/02
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