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 ハロウィン
© 恭悟 
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【Trick or Treat】

言葉ひとつで自分に小さな幸せが訪れる魔法の一言。
そして時にこれは、可愛い恋人にだって通用する、淫らな魔法にさえもなるのだ…。



「Trick or Treat」
「は?」

耳元でそっと呟くと、眉根を密かに潜めた、俺の自宅に遊びに来ていた、可愛い恋人。
ハロウィンの存在をすっかり忘れた倭は、俺の言葉の意味を理解できていないようだ。
いぶかしむように目を細めた倭の耳朶を、そっと舐めあげる。

「…っ!?」

肩をあげ、予想だにしていなかった俺の行動に驚いたのか、硬直した倭。
そんなウブな少年を引き寄せて自分の膝に乗せると、体を反転させて倭と向き合う形になる。
真っ赤な顔をして戸惑う倭に、俺はフッと微笑んだ。

「今日は、ハロウィン。お化けのフリをした子供が、住民や大人に菓子をねだる日。渡さなかったら…」
「っ……!?」

一旦言葉を切り、倭の耳朶を指でなぞった。
そして、静かに囁いてやる。

『お菓子くれなきゃ、イタズラ』
「ん、ぁっ!?」

そっと、耳にしゃぶりつく。
耳曲をなぞり、耳朶を食んでねぶり、舌を差し込んで掻き回す。
倭はその真っ赤に紅潮させた顔を、快楽で歪ませた。
堪らなく、興奮する。
なんとか俺を引き剥がそうと、倭は抵抗を示すが、力の入らぬ体、それはまるで意味のない行為だった。

「ぁ、は、ば、か、やめ、ろっ、へんた、っ…」
「変態?どっちが?耳舐められただけで、乳首立たせてる奴は、変態じゃねえの?」
「ぁ、あん…っ!」

ぷっくりと立ち上がったそこを、布越しに舐めてやる。
喉を退け返らせた恋人の、無自覚な淫乱魂に火がついたようだ。
跨いだ俺の腿に、すっかりと快楽に高ぶったそこを、腰を振って擦り付けてきたのだ。無論、倭自体は自分の晒している恥態等知るよしもないであろう。
もちろん、そんなオイシイ行為をからかわない他ない。

「腰、揺れてる」
「ゃ、あ、ちが、ぅ…っ」
「違わねえだろ?ほら、これ。擦ってんじゃん」
「ひ、ぁあぁっ」

なかなか認めない倭に見せしめで、ズリッ、と強くそこを擦ってやる。すると、倭は耐えかねたように俺にしがみついてきた。
普段の倭ならば、こんなこと、絶対にしない。できない。
快楽に堕ちた、証だ。
くっと、俺は昂った気持ちを抑え、今すぐ押し倒してめちゃくちゃにしたいのを抑え、意地悪をするのだ。

「へえ、そんなにいいの、これ?」
「ぁ、ふ、ゃぁ、動かす…なぁ…っ」
「でも、イキたいんだろ?ここ、思いっきり、ぐちゃぐちゃにしてほしいんだろ」
「ぁ、ふ…っ、ぅ」
「ねだってみろよ。可愛く、な」
「ふ、んんっ」

再度、耳を食み、前を開いたYシャツを掻い潜り、勃起した胸の突起を指で遊ぶ。
だが、焦らして、突起自体には触らなかった。あくまで、乳輪で、突起にギリギリかするくらいの、焦れったいであろう刺激しかやらない。
倭のわずかに残る理性を、完全に溶かしてやるためだ。

「ふ、んぅ、なで…っ」
「何が?」
「っ……ぅっ、夜神の、意地悪…っ、最低、だ…!」
「あぁ、いいさ、どんどん罵れよ。いつまで持つか、しんねえけど、な」
「ん、ぁあっ!」

グッと突起を押し潰す。
膝に当たった倭のモノが、上にきゅっと挙上したのを感じた。
唇を噛み締め、瞳に涙を一杯にためながらも、倭はなお俺を睨み付けた。おねだりも一切しない。理性は溶けても、プライドが邪魔をしているのであろう。
往生際の悪い恋人だ。だが、それをぐずぐずと崩して、最後には悦に浸らせてやるのも、俺は嫌いじゃない。強気で、プライドの高い奴ほど、それは楽しい。
俺の変態魂にも火がついて、イケそうでイケない程度の、一番倭の嫌いな焦らしを行ってやることにした。俺の言うことを聞かなかった、お仕置きの意も込めて。

「言う気になったなら、いつでも煽ってみろ」
「ぇ…、ぁあっ!?」

開いたYシャツを肘まで引き下ろすと、覗いた色付いた突起に舌を絡ませる。
そのまま甘く噛み、それに吸い付いた。

「い、ぁあっ!や、だ、め、やが、っふ、ぁあっ」

パンパンに膨れ上がった倭のそこから、先走りが溢れたのを湿ったジーパンが知らせる。
指先でそれを確認すると、唇を離した。
絶頂の真っ只中でいきなり快楽を奪われて、倭は不満げに俺を見つめてくる。
俺は、倭の唇を撫でると、そっと呟いた。

「ほら、言えよ」
「ん、く、ぁあっ…はっ」
「ここ、どうしてほしいの?」
「ん、ぁああっ!」

グチグチと、先走りを垂らすソコを押し潰した。
鋭い快楽にビクビクと大袈裟に体を震わせながらも、イケない苦しみに、とうとう俺の恋人は、堕ちた…。

「……は、ぁ、ねが、します…イカせ、て…っ」

御安い、願い。
俺の中で、理性と言う名のモノが、途切れた。


───────

「腰が、痛い…」

事が済み、お互いにシャワーや後処理を済ましてさっぱりとしていると、倭が恨めしげに呟いた。
確かに今日は調子に乗って腰をフルに使ったような気がしなくもない。
そもそも、倭は華奢で、どんなに優しく抱いてやっても細腰は悲鳴を上げてしまうため、それは今に始まったことではないだろうに。完全なる嫌味だった。
苦笑しつつも、俺はご機嫌斜めなお姫様を背後から抱き締めた。

「悪いな、あんまりにも可愛いオネダリするから、止まんなくなった」
「全部お前がさせたんだろ!この変態!犯罪者!」
「ハイハイ、ごめんごめん」

真っ赤な顔で罵られても、可愛いだけと言うのをなぜ倭は理解しないのか。
内心で思いつつも口には出さず、抱き締めた状態であることに気づいた。
倭が所有してきた鞄から、何が可愛くラッピングされた小包が出ているのだ。
気になり、それをつまみ上げると、倭がいきなり腕のなかで暴れ始めた。

「なにんだよ、これ?」
「ば、知らない、返せよ!」
「やーだねえ、なんだよ、これ?やーまーとー君?」
「知るか、返せ!人んだぞ、教師のくせに、プライバシーの侵害だ!」
「知る権利は恋人としてあるだろ?教えてくれないなら、勝手に見るからいーけど」
「あ、てめ…っ」

頑なに口を割らない上に必死に返せと慌てる倭が可愛くて、俺は倭を片手で押さえつけ、唇で器用にリボンを開いた。すると、中からポロリポロリと何かが飛び出した。
クッキーだった。

「っ……、ち、ちが、俺が作ったんじゃないぞ!?作れないし!」
「俺、何も言ってないけど?」
「っ……」

かぁあっと倭の顔が紅潮し、そのまま俯いてしまう。耳まで真っ赤だ。

「倭が作ったのか?」
「っ……ハロウィンだから、折角だし……っ」
「何、お前知ってたのか?じゃぁなんで、お前お菓子の時…、まさか、イタズラしてほしくて、知らないふりしてたとか?」
「っ……や、ちがっ…」

いいながらもバッチリと真っ赤になったことから、どうやら図星らしかった。
そう、考えてみたら全てが上手くいきすぎた。
倭は賢い。そして人を見分けることが出来る。もちろん、俺も。
ハロウィンと言ったらイタズラなのだから、俺の家に来たらまずこれをネタに色々されると、よほど鈍くない限りは気づくであろう。もちろん、倭は鈍い面はあるが、ここまでは鈍くはない。
つまり倭は、初めから俺にイタズラされることがわかっていて、家にまで赴いたのだ。つまりそれは、俺を求めていたと言うことで…。
知らなかった、自分の恋人がこんなに計算高い淫乱だったなんて。
こんな、ちょっと弄っただけでゆでダコみたいに恥ずかしがるうぶな奴なのに、本当に驚かされた。
俺は、恥ずかしげに俯く倭を再び正面から抱き締めた。早い鼓動がまた可笑しくて、可愛くて。

「お前って、ほんと淫乱」
「だから違うって!本当に俺はイタズラなんかされるつもりで来たわけじゃない!自惚れんな変態!」
「はいはい」
「絶対に解ってない!」
「わかってるよ、ほんと、可愛すぎだ…」


それはお菓子だけでなく、幸せを運んでくれる、不思議で、優しい言葉。
来年も再来年も、俺はまたこの淫乱な恋人の陰謀に乗るであろう。
知らぬフリをして、唯一の、オネダリを聞いてやるのだろう…。



ーendー








2010/10/27
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