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一瞬の幸せ
R指定:有り
キーワード:三角関係?/切ない/目隠しプレイ
あらすじ:キミが愛してくれならば、僕はこの遊戯をやめることは出来ない…/短編集一部カット
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ねぇ…
僕と一緒に…
幸せな夢を見よう?
雲一つない青空の下、彼はこちらに近付いて来る。僕の大好きな笑みを浮かべて。
「毎朝大変ですね」
「そうでもないよ。早く教室行けば?」
素直になれない自分に溜息。イライラしたからそれを発散した。通りかかった生徒を殴っただけだけれど。
皐月の後ろ姿を目を細めて見つめた。この気持ちがいつか伝わる事を祈りながら…
太陽の光が眩しい。嫌いじゃない、この身体を包む暖かい光。
『実は…好きな人が出来ました』
僕と皐月は友達だ。一番の親友という位置に留まっている。
そんな事を頭の中で考えていたら、近付いて来る気配に気付けなかった。
「何そんなとこ突っ立ってるんだ、一輝?」
「そっちこそ邪魔なんだけど」
「欲求不満だろ。相手してやるから来いよ」
ナンパの上手な佐倉だ。しつこいし、この上なくうざい。
だけど僕は利用する。好きだと言ってくれるこの男を。
『誰が好きなわけ?』
最中に想い浮かべるのはいつも皐月。目隠しというマニアックなプレイが好きなわけじゃない。欲しいのはこの男じゃない。
目を隠された状態で相手の頬に触れる。あぁ、笑っている皐月が見える。
「好きだよ」
愛おしい皐月が目の前にいるんだ。手の大きさ、体格、全てが違うけど。今見えるのは皐月だけ。
自身をヌメッとした舌でなぞられ、溢れる汁は全て舐め取られる。
「ふっ…んあぁっ…っぁう…」
「一輝、感じてる?」
クチュッと響くいやらしい音が、悩を狂わせる。
目隠しのため相手表情は見えない。それが僕の楽しみ。
僕の中では彼は皐月。今自身に触れている温かい手は皐月の手。僕が触れているモノも皐月の…にしては大きすぎか。
一輝は佐倉の髪を引き、唇を重ねる。その間にも自身の先端は溢れ続ける液体でベトベトになり、長い指先は穴を探る。
『よくあなたの隣にいる人です。名は確か…』
「入れるぜ」
細い腰を誘うように動かす大好きな男。胸が苦しい。
なぁ一輝…俺にしておけよ?
会う度に口説くのだが一輝は首を縦に振らない。
慣らしたアナルは大きな佐倉の自身を受け入れる。
「ぅっ…ぃったぁ…あ…やぁ…ふぁ…あっ」
中々良い場所に当たらないもどかしさに腰を振った。ズプズプと音を立て、最初に含んでいたローションが溢れ出た。
涙が溢れた。
こんなことを繰り返しても、どちらも報われない。
そして皐月も報われるはずがない。
「ああぁぁぁっ…ぁ」
呼吸を整えていると口にドロッとした物体。
「まずいよ…」
すると彼はククッと笑い声を漏らす。
一輝は自分の精液を飲み込めず、唇の端から垂れた。
目隠しをされた暗闇の中だけでいい。
キミとの夢を見させて?
『名前は……佐倉』
僕の好きな人は佐倉が好きで…
そいつは僕を好きで…
だから僕達に幸せは訪れない。
だから今だけ…
あなたとの夢を見させて…
2007/02/11
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